思い出と真珠、胸に卒業 三浦・名向小 地元産を自ら取り出し

 三浦市立名向小学校(同市三崎町諸磯)で20日、卒業式が行われた。6年生47人が胸に着けていたのは、地元の小網代湾で育ったアコヤガイから自ら取り出した三浦真珠をあしらったネクタイピン。「一生の宝物にしたい」と目を輝かせて巣立っていった。

 市などが進める海洋教育の一環で、子どもたちはNPO法人「小網代パール海育隊」から指導を受け、4年生の時から養殖について学んできた。5年生の7月にアコヤガイへの「核入れ」を行い、6年生の4月に真珠を取り出す「浜揚げ」を体験。真珠は倉茂宝飾(横須賀市大滝町)がネクタイピンに加工し、同隊が子どもたちに贈った。

 卒業式は「未来へつなぐ 輝く真珠のように」がテーマで、会場の体育館には真珠をモチーフにした飾りがつるされた。子どもたちは「初めての体験に胸が躍った」「学習の積み重ねが実を結び、世界に一つだけの真珠になった」と思い出を語った。

 卒業式後、同隊の出口浩理事長が「隊を設立して3年、まさかこんなに早くプレゼントできるとは思わなかった。皆の熱心さが形になった」と子どもたちにあいさつ。女子生徒(12)は「貴重な体験ができて三浦の子で良かった。真珠には皆との思い出が詰まっているので、一生の宝物にしたい」と笑顔だった。

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