米232条、きょう発動 25%課税、当面避けられず

 米国政府が現地時間のきょう23日(日本時間23日昼)から鉄鋼やアルミに対する輸入規制措置「通商拡大法232条」の適用を開始する。鉄鋼には25%の追加関税が課されることになり、今後は適用除外がいつどれだけ認められるかが焦点になる。

 今回の追加関税で適用が除外されるのは、カナダやメキシコのように国ごとで適用が見送られる場合と、米企業が米商務省へ品目ごとに適用除外を申請し認定を受けるものがある。前者は国家間の外交交渉に委ねられ、後者では現地顧客の手続きを日本ミルがサポートしていくことになる。

 除外が認められるまでは少なくとも1カ月ほど要するものと見込まれ、その間に米へ入着した鉄鋼には追加関税が課されることになる。日本から米国へ輸出される鉄鋼は日本高炉メーカーの現地事業や日系ユーザー、米鉄道会社などが安定調達しているものばかりで、232条の発動後も関税を支払って一定の供給を続けざるを得ない状況だ。

 一方、韓国など他のアジア勢は対米輸出の出荷を見合わせ始めており、この余波でアジア市場における輸出商談も棚上げ状態になっている。米国市況は232条の影響で暴騰しているが、アジアでは中国市況の軟化もあり様子見ムードが強まっている。

欧州鉄鋼協、セーフガードの発動を要求

 欧州鉄鋼協会(ユーロフェル)は22~23日に開かれる欧州理事会に際し、米国の鉄鋼輸入規制に対抗し、EUへセーフガード(緊急輸入制限措置=SG)の発動を求める声明を発表した。

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