国際貿易で研究や交流 横浜税関が横国大と連携

 横浜税関(横浜市中区)と横浜国立大学(同市保土ケ谷区)は22日、包括連携協定を締結した。国際貿易の円滑化に役立つ幅広い分野の教育研究や人材交流・育成を推し進める。海外との経済連携協定(EPA)などをテーマに共同研究も手掛けることで、グローバル化への対応と地域社会の発展を目指す。

 両者は互いに講師を派遣して講演を開くなど、これまでも交流が深い。同大大学院は2016年度から毎年、税関職員を研修生として受け入れている。税関は業務説明会を同大で開いており、18年度は4人の卒業生の採用が決まっている。

 協定締結により、関税政策に詳しい税関職員による講座の新設や、教員や留学生らの視察やインターンシップの受け入れなど新たな交流を予定している。

 同大で開かれた締結式で長谷部勇一学長は、大学内外での地域交流や国際交流を通じて実践的な人材育成を特色とする同大の取り組みに触れた上で「(学生が)税関の現場や実務の話を聞くことで貿易のあり方全般に関心を持つようになり、人材育成に貢献できる」と期待した。

 片山一夫税関長は「県内に多い中小企業に対して(横浜税関の使命の一つである)地域経済への貢献策を一層強化したい」と協定の意義を強調。具体的には「貿易統計の分析や、経済連携協定の締結を踏まえたグローバルな貿易動向の変化など、数理経済学を活用した分析などが共同研究で期待できる」と話した。

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