試験での色覚検査廃止 18年度から、採用後に実施 横浜市消防局

 横浜市消防局は22日、2018年度から採用試験の「色覚検査」を廃止すると発表した。採用後の健康診断の際に実施する方法に改め、色の見え方によっては配置先や業務内容などで合理的配慮を行う。

 同局は「これまで色覚が原因で業務に支障を来した事例の報告はなく、合理的配慮を行うための検査ならば採用後で十分だと判断した」と説明した。

 同局によると、色覚検査は特定の色が判別しにくいなど色の見え方を調べるもの。従来は2次試験で行われる身体検査の項目の一つ「色彩識別」として実施。ただ、身長などと同様に合否判定に影響しておらず、採用後に必要な合理的配慮を把握する意味合いで行ってきた。

 厚生労働省は01年、雇用時の色覚検査を原則廃止するよう労働安全衛生規則を改正。消防職員の採用時の色覚検査を巡っては、民間団体「カラーユニバーサルデザイン推進ネットワーク」が17年度の調査結果をホームページで公開しており、県内は24消防部局のうち6割超の16部局が実施していた。林文子市長は昨年12月、「試験として行う必要はない」との認識を示していた。

© 株式会社神奈川新聞社