乳児用液体ミルク導入 厚木市長が慎重姿勢

 早ければ今夏にも国内販売が解禁される見通しとなった乳児用液体ミルクについて、厚木市の小林常良市長は22日の定例会見で「明確に安全なのか、その担保が取れているのかどうかがポイント。避難所で喜んでもらえる物は確保したいと考えるが、肝心の過程がまだ未成熟と思う」と現時点での導入には慎重な見方を示した。

 小林市長は、国内の規格基準が整備途上にあることや、粉ミルクよりも割高で備蓄時にかさばる点を問題視。

 ただ、「熊本地震で非常に評判が良かったという情報は得ている。必要性はあると思う」と将来的な導入には含みを持たせた。市では栄養士などから意見を聞いているといい、国の動向を踏まえながら導入の検討を行う考え。

 乳児用液体ミルクは、粉ミルクのように湯で溶かす必要がなく、常温で一定期間の保管ができ、欧州で普及している。2016年の熊本地震の被災地にフィンランドからの支援物資で届き注目されたが、国内では規格基準がないため流通していない。昨年12月には、首都圏の県や政令市でつくる「九都県市首脳会議」が普及に向けた法令や基準の整備を国に要望していた。

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