厚木の米艦載機 岩国に最後の2部隊移駐開始へ

 米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)から岩国基地(山口県岩国市)への空母艦載機移駐計画で、防衛省南関東防衛局は23日、最後に残っていたFA18戦闘攻撃機2部隊(24機程度)が、早ければ24日から、移駐を始めると厚木基地周辺自治体に伝えた。当初5月頃としていた移駐の完了時期を前倒しし、計画されていた全ての艦載機が移駐を終えることになる見通し。

 移駐がこの時期になることについて、同防衛局は米側からの情報として「運用状況等をみて、米軍が総合的に判断した」としている。完了時期については「承知していない」と説明している。

 移駐は厚木基地の騒音対策のため、2006年に日米両政府が合意した在日米軍再編の一環。移駐するのは横須賀を拠点とする米空母「ロナルド・レーガン」艦載機約60機で、FA18やE2D早期警戒機、C2輸送機など36機程度が段階的に移駐してきた。今後、艦載機部隊が所属する第5空母航空団の司令部が厚木基地から岩国基地へと移る予定。

 移駐後の厚木基地について、在日米海軍司令部は昨年8月、空母艦載機が訓練、給油、整備のため、「折に触れて使用する」と文書で発表。暫定的に硫黄島(東京都)で行われる陸上空母離着陸訓練(FCLP)が昨年9月、代替施設の厚木基地で実施された。艦載機が離着陸を繰り返す訓練で、周辺地域に深刻な騒音被害を及ぼした。移駐後も厚木基地には硫黄島の代替施設としての位置付けは残る。

 移駐完了後、岩国基地に駐留する機体は約120機となり、極東最大級の米軍航空拠点となる。岩国基地の米軍関係者は約1万人となる。

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