3月24日、スーパーバイク世界選手権(SBK)第2戦タイラウンドの決勝レース1が、タイ・ブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで行われ、ジョナサン・レイ(カワサキ)がポール・トゥ・ウインを飾った。
同日に行われた予選では、1回目のアタックでレイをはじめとする数名のライダーにより何度もリーダーボードのトップが入れ替わる接戦を展開。残り5分を切ったところで2回目のアタックが始まると、まずジョルディ・トーレス(MVアグスタ)が1分32秒972とファステストを更新する。
その直後にキャミア、さらにサイクスとファステストを記録するが、レイが最後のアタックで1分32秒814をマークして今シーズン初、タイでは2年連続となるポールポジションを獲得した。2番手に1分32秒817でサイクス、3番手に1分32秒922でキャミアが続き、フロントロウを獲得している。
そして、迎えたレース1は気温32度、路面温度42度のドライコンディションで行われた。ポールポジションからスタートしたレイはホールショットを取りレースをリード。序盤はそのレイに続いたチームメイトのトム・サイクス(カワサキ)とのバトルとなる。
レイとサイクスは何度もトップを入れ替えるバトルを展開。しかし3周目、2番手を走っていたレイが3コーナーのブレーキングでサイクスを交わしトップを奪うと、その後ろでふたりの戦いを静観し様子を伺っていたレオン・キャミア(ホンダ)がそれに追随してサイクスをオーバーテイクし2番手に浮上する。
レイはキャミアとサイクスが競り合う間に少しずつ後続にリードを広げていき、5周目には2番手のキャミアとの間に約1秒のアドバンテージを築く。一方3番手を走行していたサイクスは6周目、3コーナーのブレーキング勝負でチャビ・フォレズ(ドゥカティ)に粘り負けし、4番手に後退。その後、サイクスはずるずると順位を落とすが、レース後に発表された本人のコメントによるとこの5周目から6周目付近でブレーキシステムに問題が発生していたようだ。
終盤までトップ3のオーダーは変わらず、レイ、キャミア、フォレズの順で周回を重ねていく。しかし残り8周、フォレズがキャミアをオーバーテイクすると、キャミアが2番手を奪い返すべく3コーナーで勝負。しかしキャミアはブレーキングでミスしふくらんでしまい、フォレズがそのまま2番手をキープする。
3番手に後退したキャミアはさらに残り2周の3コーナーでチャズ・デイビス(ドゥカティ)の追撃を受けて、4番手に順位を下げている。
レイは単独トップをキープしたまま20周のレースを走り切り、ポール・トゥ・ウインで今シーズン初優勝を達成。2015年に始まったタイラウンドで自身通算6勝目を記録、カワサキとしては7連勝とタイでの連勝記録を更新した。
2位は、レイには及ばなかったもののキャミアをオーバーテイク後は安定した走りを見せたフォレズ。フォレズは開幕戦オーストラリアのレース2に続いて表彰台を獲得。自身SBKベストリザルトを獲得した。3位には最終盤にキャミアを交わしたデイビスが入った。
一時2番手を走行したキャミアは単独4位でゴール。5位にアレックス・ロウズ(ヤマハ)、サイクスは6位でチェッカーを受け、7位にマイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)が続いた。
開幕戦でダブルウインを飾ったマルコ・メランドリ(ドゥカティ)は8位、9位にユージン・ラバティ(アプリリア)、10位にジョルディ・トーレス(MVアグスタ)が入賞している。
また、スーパースポーツ世界選手権(WSS)クラスではこの日予選が行われ、ルーカス・マヒアス(ヤマハ)が1分36秒738でポールポジションを獲得した。マヒアスは開幕から2戦連続のポールポジションスタートとなる。
2番手には1分36秒967でジュール・クルゼール(ヤマハ)、3番手には1分37秒235でフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)が続き、さらに上位5番手までをヤマハ勢が独占した。
大久保 光(カワサキ)はフリー走行総合6番手でSP2に進出。SP2では1分38秒100をマークし、3列目9番手から決勝に臨む。大久保のチームメイト、ケナン・ソフォグル(カワサキ)は開幕戦で負ったケガにより今レースを欠場している。
以下、SBK第2戦タイラウンド 決勝レース1順位結果。
■SBK第2戦タイラウンド 決勝レース1順位結果
Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap
1 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(Kawasaki ZX-10RR) 31’24.203
2 12 X.フォレズ バーニーレーシングチーム(Ducati Panigale R) 1.550
3 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(Ducati Panigale R) 2.118
4 2 L.キャミア レッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイクチーム(Honda CBR1000RR) 2.981
5 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチーム(Yamaha YZF-R1) 7.258
6 66 T.サイクス カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(Kawasaki ZX-10RR) 7.501
7 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・オフィシャル・ワールドSBKチーム(Yamaha YZF-R1) 8.500
8 33 M.メランドリ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(Ducati Panigale R) 10.184
9 50 E.ラバティ ミルウォーキー・アプリリア(Aprilia RSV4 RF) 11.072
10 81 J.トーレス MVアスグタ・レパルト・コルセ(MVアグスタ1000 F4) 11.178
11 76 L.バズ ガルフ・アルテアBMWレーシング・チーム(BMW S1000RR) 24.062
12 32 L.サバドリ ミルウォーキー・アプリリア(Aprilia RSV4 RF) 24.632
13 36 L.メルカド オレラック・レーシングVerdNatura(Kawasaki ZX-10RR) 26.114
14 40 R.ラモス チームカワサキ・ゴー・イレブン(Kawasaki ZX-10RR) 26.142
15 54 T.ラズガットリオグル カワサキ・プッシェティ・レーシング(Kawasaki ZX-10RR) 26.320
16 68 Y.エルナンデス チーム・ペデルチーニ・レーシング(Kawasaki ZX-10RR) 30.665
17 99 P.ジェイコブセン トリプルMホンダ・ワールド・スーパーバイク・チーム (Honda CBR1000RR) 32.625
18 45 J.ガニュ レッドブル・ホンダ・ワールド・スーパーバイクチーム(Honda CBR1000RR) 38.752
─ 37 O.ジェゼック グアンダリニ・レーシング(Yamaha YZF-R1) 4Laps(リタイア)