華やか「大江戸展」開幕 名品勢ぞろい 初日からにぎわう

 「大江戸展」(長崎新聞社、県美術館主催)が24日、長崎市出島町の同館企画展示室で始まり、来場者は、東洲斎写楽の浮世絵、江戸初期の京都のまちなみが描かれた狩野派の「洛中洛外図屏風(びょうぶ)」などの名品を楽しんだ。
 同展は、東京富士美術館(東京都八王子市)の所蔵品の中からえりすぐった襖(ふすま)絵や掛け軸、絵巻、甲冑(かっちゅう)などを展示する長崎だけの企画展。
 この日始まった前期展(5月6日まで)では約70点を展示。円山応挙(まるやまおうきょ)が愛くるしい表情の3匹の犬を写実的に描いた掛け軸などが人気を集めていた。記念撮影コーナーでは、葛飾北斎の「冨嶽(ふがく)三十六景 神奈川沖浪裏」を縦4メートル、横6メートルに引き伸ばした壁面の前で、来場者が大波にのまれるポーズを取る姿が見られた。
 島原市新湊2丁目の会社員、平山美貴さん(26)は「浮世絵に興味があり、北斎の世界的名画を鑑賞できて幸せ。制作時のエネルギーが伝わった。さまざまな作品から江戸時代の暮らしが分かる」と笑顔で話していた。
 後期展は5月9~27日。展示品を一部入れ替え、歌川広重の浮世絵など約80点を展示する。

東洲斎写楽の浮世絵に見入る来場者=長崎市、県美術館

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