OP戦で圧巻投球も反省の弁、ハム3年目左腕に吉井コーチ“バカボンのススメ”

日本ハム・加藤貴之【写真:石川加奈子】

オープン戦15イニングで1失点と好投した日本ハム加藤

 日本ハムの加藤貴之投手が25日、本拠地でのヤクルト戦に先発し、5回途中4安打1失点と好投。4試合15回を7安打1失点、防御率0.60と抜群の安定感でオープン戦を終えた。

 オープン戦唯一の失点が、この日初回に許した先制点だった。先頭の山田を追い込んだ後、決め球の内角直球を左翼フェンス際まで運ばれる二塁打。1死三塁からバレンティンを当たり損ねの投ゴロに打ち取ったが、その間に三走が生還した。

 2回以降は走者を許しながらも後続を断った。栗山英樹監督は「加藤はずっと安定しているので。加藤、上沢に関しては心配していない」と高く評価した。

 指揮官から絶大な信頼を寄せられても、3年目左腕は反省の弁ばかりを口にした。山田の二塁打について「一番自信のあるボールで勝負したけれど、まだまだということ。もっともっと練習しないと」と振り返り、バレンティンの打点については「できれば三振を獲りたかったが、少し浮いてしまった」と悔やんだ。

吉井コーチ「『これでいいのだ』と声をかけています」

 オープン戦トータル15イニング1失点の好成績にも「野手の方がアウトにしてくれた。キャッチャーの配球もあって、自分だけの力じゃない」と謙虚。「今日は全体的に変化球が良かったけれど、もっと精度を上げないといけない」と課題を挙げた。

 そんな実直で真面目な左腕に対して、吉井理人は“バカボンのススメ”を説く。「いつも『これでいいのだ』と声をかけています」と明かした。言わずと知れた漫画「天才バカボン」に登場するバガボンパパの決めセリフ。「自分はダメだと思ってしまう子なので。許せる範囲を大きくしていかないと、窮屈になってしまう」とその意図を説明した。

 1年目に7勝、2年目に6勝を挙げた加藤は今季、先発ローテーションの軸として期待される。西武との開幕カード3戦目での先発が濃厚な25歳は「チームの勝ちに貢献するためにやるべきことは多いので、1日1日を大事にして開幕を迎えたい」と力を込めた。

(Full-Count編集部)

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