若者、団地居住で再生後押し 横浜、住民に新企画提案

 高齢化が進む左近山団地(横浜市旭区)に地域活動の担い手として居住する横浜国立大生が25日、住民に新年度の企画を発表した。「左近山に新しい風を吹かせたい」と、居室の断熱改修や会員制交流サイト(SNS)による情報発信などを提案。若者ならではの着想に、住民からは賛意や協力の意向が示された。

 発表したのは、いずれも建築学科3年の谷中健太郎さん(23)、市川久男さん(22)、佐藤大悟さん(22)、小山晴也さん(21)の4人。区と同大、都市再生機構の連携協定に基づき、昨年9月以降、家賃の負担軽減を受けながら左近山団地に住み、空き店舗を改装したカフェの運営やイベントなどを手伝ってきた。

 今年4月から活動の幅を広げ、団地再生をさらに後押しする考えで、生活者の視点も踏まえた企画を住民らに提示した。

 断熱改修は学生たちの専門性を生かしたアイデア。手軽な方法で二重窓にするなどの改善策を住民と一緒に手掛ける。また、パソコンや菓子の教室など「生活にプラスアルファになる」(市川さん)企画を展開しながらカフェの存在をアピールし、大がかりな流しそうめんや屋台を使ったお酒の交流会の開催も目指すとした。

 分譲と賃貸で計4796戸に上る同団地は1968年に入居が始まり、高齢化率は4割を超える。

 発表会を企画したNPO法人「オールさこんやま」の林重克理事長(74)は「高齢化はどんどん進むが、何とか元気に過ごしたい。学生の提案は実現可能で、地域のつながりも広がる」と期待。他の住民からも「私も手伝いたい」「ずっと住んでもらえるよう一緒に取り組む」といった前向きな言葉が相次いだ。

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