【シネマプレビュー】 サイモン&タダタカシ

映画「サイモン&タダタカシ」の一場面 ©2017PFFパートナーズ(ぴあ ホリプロ 日活)

 新人監督の登竜門、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)が、過去の入賞者に対して長編製作を支援する制度、PFFスカラシップで作られた作品で、小田学監督(37)にとって初の長編映画になる。工業高校に通うサイモン(阪本一樹)は、同級生のタダタカシ(須賀健太)に秘めた思いを抱いていた。最後の夏休み、運命の女を探すというタカシにつきあって、一緒に旅に出るが…。

 笑いの要素がちりばめられた青春ロードムービーだが、ギター片手にはじけまくるタカシに対して、まじめでおとなしいサイモンという2人の呼吸のずれが楽しい。中でもサイモン役の阪本は、これが映画初出演という新人ながら、複雑な心理をぶっきらぼうな演技で巧みに表現していた。しみじみとした味わいのコメディーという不思議なテイストに酔いしれていると、やがて終盤に向かうにつれ、ミニチュアを駆使した特撮などが飛び出してきたりして、あっけにとられる。

続きは、http://www.sankei.com/entertainments/news/180323/e...

© 株式会社産業経済新聞社