東北学院大五橋キャンパス、新設計画の基本設計完了 想定鋼材量・鉄骨5000トン、鉄筋2000~3000トン

 仙台市中心部にある仙台市立病院跡地に、東北学院(仙台市青葉区、松本宣郎理事長)が新設する東北学院大学五橋キャンパスの基本設計がこのほど完了した。建設規模はS造17階建ての高層棟をはじめ5棟で、総延べ床面積は約6万5千平方メートル。業界関係者は「今後の実施設計次第だが、現時点の想定鋼材量は鉄骨5千トン、鉄筋が2千~3千トン」とみており、今後の計画推移に関心が高まっている。

 五橋キャンパスは、同学院が仙台市青葉区土樋をはじめ3地区に保有する大学キャンパスを土樋と五橋の2地区に集約する計画で、市立病院跡地の敷地約1万7500平方メートルを建設地としている。

 基本設計によると、キャンパスはホール棟(SRC造地上4階)、講義棟(PCおよびS造地上8階・RC造地下1階)、高層棟(S造地上17階・SRC造地下1階)、研究棟(S造地上9階・SRC造地下1階)の教育施設、および地下駐車場棟(RC造)などで構成。省エネルギー化のほか、高強度コンクリートや高耐久な材料による長寿命な建築を目指し、高層棟は制震構造付きS造として耐震性能を確保。講義および研究棟は規模に合わせた鉄骨とPC部材選定の軽量化で耐震性を向上するほか、ホール棟は基壇部にSRC造を採用して全体剛性を高めている。

 鉄骨、鉄筋合わせ7千~8千トン規模とみられる鋼材量について、関係者は「実施設計の中でSRC造部の鉄骨と鉄筋の比重、高層棟の制震構造、旧病院地下躯体の残置程度など詳細が固まってくればよりはっきりする」としている。

 実施設計は5月をめどに事業者が選定され、19年2月までに完了する見通し。今後のスケジュールは12月から旧病院の解体に着手し、解体完了を待って20年4月から新設工事に入り、23年4月の施設供用開始の予定。

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