LMcorsa 2018スーパーGT公式テスト富士 テストレポート

2週連続となる公式テストが富士スピードウェイで開催

前回のテストで課題が残ったSYNTIUM LMcorsa RC F GT3だが今回は改善をみせ、セッション3では4番手のタイムをマーク

決勝レースのシミュレーションも無事に終え、開幕戦に挑む

 昨年までドライバーを務めた飯田章選手を監督に迎え、ドライバーに吉本大樹選手と宮田莉朋選手のふたりを起用する新たなチーム体制で挑むことになった2018年シーズンのLM corsa。
 
 先週末に実施された2018年のAUTOBACS SUPER GTシリーズに参戦するエントラントが一堂に会した岡山国際サーキットでの公式テストでは、好調だったオフシーズンのテストとは打って変わり、本来のポテンシャルを見せることができず、課題の残る内容となった。
 
 2週連続の開催となった富士スピードウェイでの公式テストでは、前回の公式テストで浮き彫りとなった課題を解消することが焦点となった。そのためチームは、岡山国際サーキットの公式テストからすぐにファクトリーに戻り、対策を施し富士スピードウェイへと歩みを進めた。

 第2回となった富士スピードウェイでの公式テストは、3月24日(土)と25日(日)の2日間に渡って開催。走行時間は、両日ともに2時間のセッションが2回あり、2日間で8時間の走行枠が設けられていた。

 まず、1本目のセッションは24日の10時からスタート。天気は予報通りの曇り空で、一時的に陽が差すこともあったが気温は10℃前後と、この時期にしては寒い一日となった。まず、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3のステアリングを握ったのは第一ドライバーの吉本選手。持ち込みのセットアップを確かめつつ予定されたプログラムを消化していく。
 
 セッション開始から1時間ほど経過すると、今度は宮田選手がSYNTIUM LMcorsa RC F GT3に乗り込む。走行をスタートするとすぐに他車の車両トラブルにより赤旗が提示されセッションが中断してしまう。
 
 セッションが再開後は、数回のピットインとアウトを繰り替えし、セットアップを進める。セッション終盤には、ベストタイムとなる1分38秒533を記録。最終的に宮田選手のタイムが残り、1回目のセッションは21位という結果で終えた。
 
 2時間を空けて14時からスタートした2回目のセッション。まずは宮田選手がSYNTIUM LMcorsa RC F GT3に乗り込み、ピットストップの練習を行ない吉本選手にステアリングを託す。
 
 吉本選手は、用意されたタイヤの比較などを実施し40周を走行。セッション終盤には宮田選手にバトンを渡し14周を周回した。このセッションのベストタイムは1分37秒838で18番手となった。

 公式テスト2日目を迎えた富士スピードウェイは快晴で、多くの来場者を集めて3回目と4回目のセッションが実施された。
 
 9時からスタートしたセッションは、前回の公式テストでも設けられた15分間のセーフティカー訓練により幕開けした。SYNTIUM LMcorsa RC F GT3は、セーフティカー出動時の経験を積むために宮田選手がステアリングを握る。
 
 無難にセーフティカー訓練を終えると、今度は吉本選手が乗り込む。アウトラップも含めて6周を走行するとピットに戻り、ふたたび宮田選手に交代。1時間半以上の残りのセッションを任された宮田選手は、決勝レースを見据えた15周に及ぶロングランや予選シミュレーションを行なった。
 
 予選シミュレーションでは、今回のテストでベストタイムとなる1分37秒154を刻む。このタイムが3回目のセッションのベストタイムとなり、GT300クラスの27台中4番手の獲得した。

 最後となった4本目のセッションは、全車が参加するスタート練習こそ宮田選手が担当するが、その後は吉本選手が中心に走行。最終的なセットアップや確認を行ない36周を周回した。宮田選手も17周を走行し、吉本選手が記録したベストタイムは1分38秒002だった。

 2日間の公式テストで213周という決勝レースの3倍以上の距離を走破したSYNTIUM LMcorsa RC F GT3。まだセットアップなどに課題は残っているが、前回のテストに比べても好感触を得られたことでチームの士気は上がっている。
 
 チーム全員が、宮田選手のデビュー戦は是が非でも好成績を残したいといい、4月7日の岡山国際サーキットラウンドまで短い期間ではあるが、最終的な詰めの作業を進めていく。

チーム/ドライバーコメント

飯田章監督

「2日間を通して想定していたプログラムをしっかりと消化できることができました。テストの舞台が富士スピードウェイだったので、第2戦を想定したテスト内容とともに、前回の岡山国際サーキットでの課題も克服しつつあります」

「2日目には、好タイムもマークしていますし、開幕戦に向けてポジティブなテストとなり、準備ができたと思っています。デビュー戦となる宮田選手ですが、すべてのテストを通してポテンシャルを発揮してくれていますし、コメントも的確なので活躍に期待しています」

吉本大樹選手

「開幕戦へ向けての最後のテストでしたが、2日間を通して見れば良い内容となりました。初日は、前回の岡山国際サーキットでのテストで課題となっていたところの解決に時間を裂きましたが、方向性がやや見えないところもありました」

「しかし、2日目は決勝レースや予選のシミュレーションを実施して、結果も付いてきたのでチームとして自信につながっています。開幕戦に向けては、まだまだ対策を行なわないといけない部分がありますが、宮田選手のデビュー戦でもあるので、好成績を残したいと思っています」

宮田莉朋選手

「チームとしては、前回の岡山国際サーキットで色々と課題が出たので、その解決を目指しました。2日間を通して、まだ改善できていない部分と、方向性が見えた部分と両面です」
 
「個人的には、2日目の午前中に予選と決勝レースのシミュレーションを体験でき、目標のタイムも残せました。決勝レースを想定したロングランでは、GT500クラスの避け方や同じ300クラスの抜き方もだいぶ身についたと思います」

「開幕戦に向けて課題は残っていますが、デビューレースはドライバーとしての重要な第一印象になります。そのため、チームワークを大事にしつつ、しっかりとした結果を残したいです」

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