OP戦苦戦も…虎ロサリオは「めちゃくちゃいい」 山崎武司氏が成功確信するワケ

山崎武司氏も活躍に太鼓判を押す阪神のウィリン・ロサリオ【写真:荒川祐史】

優勝狙う阪神の鍵握る新助っ人「あれが打てんかったら“世界七不思議”」

 昨季は2位に入ったものの、優勝した広島には10ゲーム差をつけられた阪神。クライマックスシリーズ(CS)でも、ファーストステージでDeNAに敗れ、日本シリーズ進出はならなかった。今年が金本知憲監督の就任3年目。オープン戦は最下位に沈んだものの、リーグ制覇、そして1985年以来の日本一への期待は高まっている。鍵を握るのはやはり新戦力だろう。

 オフの補強の目玉は、昨年まで韓国ハンファでプレーしていたウィリン・ロサリオ内野手だ。KBOでは2シーズンで246試合に出場し、打率.330、231打点、70本塁打をマーク。メジャーでも、デビュー直後から強打の捕手として活躍し、2012年はロッキーズの球団新人記録を塗り替える28本塁打、翌2013年も21本塁打、79打点を記録した。

 確かな実績を持つ新助っ人は、オープン戦13試合で打率.143、1本塁打、4打点と結果が出ていないが、現役時代に通算403本塁打をマークした野球解説者の山崎武司氏は「めちゃくちゃいい」と絶賛。春季キャンプも視察して、その打撃を直接チェックしており、日本球界でも活躍できる打者だと太鼓判を押した。

 いったい何が目についたのか。山崎氏は「あれが打てんかったら“世界七不思議”だね。それくらいいい」とまで言い切る。

「体は大きくないけど、いいね。広角に打てる。俺が見に行った時にはいつも打っていた。タイガースは長打不足だったから、そこもいいと思う。変化球にもうまく対応するし、見逃し方もいい。打ち方に大きな“あおり”がないから、なかなかのもんだよ」

中日OBの野球解説者・山崎武司氏【写真:岩本健吾】

なぜロサリオは日本で成功するのか、山崎氏が打撃を高く評価する理由

 メジャーで結果を残していても、日本人投手に変化球主体で攻められると、結果を残せないという打者もいる。そこから調子を崩し、期待外れに終わった、というパターンも少なくない。ただ、ロサリオについては心配無用だという。山崎氏は「打ち方にちょっと難点があるとか、大きくタイミングを取っちゃうとか、そういうのがない。小さいタイミングでコンパクトに振ってくるから、なかなかだよね。一発だけではない。十分に打点も拾える。金本監督は相当期待していると思う」と賛辞を並べた。

 4番がしっかりと埋まれば、チームに柱ができる。山崎氏はさらに、加入2年目を迎える糸井嘉男外野手についても、キャンプを視察した印象として「すごくいい」と評価。さらに、現役時代からオフに共に自主トレを行う“盟友”福留孝介外野手も「今は何の問題もない。大丈夫」だという。軸がしっかりとできそうなだけに、2年目の大山悠輔内野手らが更に成長すれば、打線は期待できそうだ。

 一方で、投手陣はやや不安が残るという。「ピッチャーはな……。藤浪(晋太郎)も今のところ厳しい。若手頼りなところもあるから、ちょっと(新たな戦力が)出てきてくれると嬉しいよね」。ただ、ロサリオの加入などから、チーム全体としては「上乗せがあるね、タイガースは」と評価しており、2連覇中の広島を脅かす可能性があると見ている。

「(阪神と広島は)いい勝負だと思う。果たして、去年みたいな差ができるのかな、とは思うね。広島は強いけど、阪神、DeNA、巨人くらいまではチャンスがあるんじゃないかな。ヤクルトも青木(宣親)が入って厚みは出たけど、ピッチャーが厳しい。さすがに毎試合10点は取れんだろうと思う。打線だけでみれば、中日よりかなりいいけど。でも、試合をやれば中日のほうが強いんじゃないかなとも思う。ヤクルトよりはピッチャーがいるからね。やっぱり(打線は)毎回は打てないから」

 広島、阪神、DeNA、巨人が優勝争い、CS進出争いに絡み、昨年も5、6位に沈んだ中日とヤクルトはやや厳しいとの見方。特に、ロサリオは“本物”と評価しているだけに、阪神は広島と「いい勝負」と山崎氏は評価している。2018年は若き猛虎軍団の更なる躍進に期待が高まる。

(Full-Count編集部)

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