町田市初の市民発電所が完成 地産地消で電力供給 町田市

ソーラーパネルを紹介する入澤滋常務

 町田で初となる市民発電所がこのほど、旭町の「生活クラブ館まちだ」の屋上に完成した。市民から募った出資金で完成した太陽光発電施設。10日には完成記念式典と施設の見学会が行われ、プロジェクトの支援者や再生可能エネルギーに関心のある市民らがその完成を喜んだ。

 「生活クラブ館まちだ市民発電所」はNPO法人まちだ自然エネルギー協議会の有志が設立した町田市民電力株式会社(清原理代表取締役社長)が設置。自然エネルギーを使用することで温暖化ガスを排出せず、地域内でお金が循環する仕組みを広げることで、地域経済の活性化や雇用にも貢献するとし、「将来を担う子どもや子孫たちにより良い未来を残したい」という想いを形にした。

 同社の太陽光発電設備は、介護サービス付きの高齢者住宅として建設された5階建ての建物の屋上に、270W×56枚の太陽光パネルを設置し、15・12kWの発電設備を設置。年間14260kWアワーの電気を発電し、電力会社へ全量を売電する。また災害時に切り替える事で建物内の自立電源として使用する。経済産業省から設備認定され次第、稼働する予定。

 完成記念式典の中で清原社長は「『地域の電力を自分たちで』という思いで昨年、まちだ自然エネルギー協議会というNPOを立ち上げたのがきっかけ。地域で自然エネルギーを普及していきたい。自分たちで太陽光発電を行うことで、地域の産業に繋がり、経済発展や自分たちの暮らしの糧になると考えていたところ、生活クラブ館様より屋上を使ってやってみないかと声を掛けてもらえた。今回は金融機関からではなく、市民一人ひとりの出資によって完成することができました。ご協力に感謝しつつ、小さな力が集まるとこういうことができると実証できたと思います」とあいさつした。

 2012年に再生可能エネルギーを電力会社が買い取る「固定価格買取制度」がスタートして以降、自治体や市民が主導した発電事業は各地で生まれている。「まずは第一歩のスタート。太陽光以外にも、バイオマス風力など再生可能エネルギーは様々。今後、地域ごとに合うものを探して、最適なものを提供できるよう続けていきたい」と清原社長は話す。

あいさつする清原理社長

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