葉山町 給食センターの計画凍結 町議会が設計費全額削除 逗子市・葉山町

建設予定地の斜面

 葉山町議会は、第1回定例会で2018年度当初予算案に盛り込まれていた給食センターの設計業務委託費7114万円を予備費に回す修正案を賛成多数で可決した。事実上、センター建設計画は凍結した。

 2020年9月の供用開始を目指し、葉山町が進めてきた給食センターの建設計画が大幅に遅れる見通しとなった。

 修正案は今月13日に開かれた本会議で可決された。議員からは「整備費用が高額」「民有地を含め、あらゆるケースを比較検討するべき」といった計画全体の再調査を求める声が出た。

 返町和久教育長は「議会の決定を受け止め、1日も早く中学校給食を実施できるよう再調査に着手したい」とした。

小中学校一括で

 現在、町立小学校には調理施設が設置され「自校式」の給食を、中学校ではミルク給食を行っている。

 県内の中学校で完全給食の導入が進むなか、町は15年、4小学校を加えた6校の給食調理・配送を行う給食センターの整備計画を発表した。

 町立小学校4校の調理施設がいずれも70年代前後に建設され、老朽化が進んでいることなどから、小学校も含めて「センター方式」にすることで安全面や費用面で効率化を図る狙いだ。

 当初の予定地は上山口小学校旧校舎だったが、付近の通学路が狭く配送トラックの通行を不安視する声が相次いだ。そのため16年には、葉山中学校敷地内の斜面に整備し、約3千平方メートルの平地を確保する基本構想を決めた。しかし、建設予定地の造成工事費が4億円以上と当初の見込みより大幅に上回ったため、昨年夏に計画の見直しを実施。供用開始時期を19年9月から20年9月にしていた。建設工事や厨房機器の購入設置などをあわせた総工費は約19億円にのぼる見込み。
 

© 株式会社タウンニュース社