パは先発左腕が不足? 近年の規定投球回到達に見る左投手の現状

西武・菊池雄星【写真提供:(C)PLM】

昨季4人のセに対してパは菊池のみ

 昨季、規定投球回に到達した左腕はセ・リーグが今永昇太投手(横浜DeNA)、田口麗斗投手(巨人)、バルデス投手(当時中日)、大野雄大投手(中日)と4人いたのに対し、パ・リーグは菊池雄星投手(埼玉西武)のみだった。

 パ・リーグは最近5年間を振り返っても、2016年に菊池投手、和田毅投手(福岡ソフトバンク)、塩見貴洋投手(楽天)と3人の左投手が規定投球回に到達したが、その他のシーズンは1人という結果に終わっている。

【2013年】規定投球回到達者12人中1人
吉川光夫投手(北海道日本ハム)※当時

【2014年】規定投球回到達者13人中1人
辛島航投手(楽天)

【2015年】規定投球回到達者12人中1人
吉川光夫投手(北海道日本ハム)※当時

【2016年】規定投球回到達者14人中3人
菊池雄星投手(埼玉西武)
和田毅投手(福岡ソフトバンク)
塩見貴洋投手(楽天)

【2017年】規定投球回到達者13人中1人
菊池雄星投手(埼玉西武)

パ全体で先発左腕不足のように見えるが…

 この結果だけ見ると、パ・リーグ全体で先発左腕不足のように見えるが、和田投手、塩見投手、辛島投手といったこの5年間で規定投球回に到達したことのある投手や、昨季100イニング以上を投げた加藤貴之投手(北海道日本ハム)、松葉貴大投手(オリックス)などもいる。松葉投手は昨季133.1イニングを投げており、わずかに10イニング弱届かないだけだった。

 また今季は田嶋大樹投手(オリックス)、齊藤大将投手(埼玉西武)といった即戦力左腕がプロ入り。特にオリックスの田嶋投手は最速152キロを記録するストレートとスライダーを武器に“社会人ナンバー1投手”と呼ばれた。プロ入り後は、3月10日の巨人とのオープン戦で5回2失点に抑えるなど、開幕ローテ入りが確実視されている。

 新外国人投手では、田嶋投手と同じオリックスでプレーする左のアルバース投手が、3月14日に行われた千葉ロッテとのオープン戦に先発し、5回を無失点に抑えるなど、開幕ローテ入りへアピールした。

 この5年間で4度、規定投球回に到達した左腕が1人だったパ・リーグ。今季は2016年以来2年ぶりとなる複数の規定投球回到達左腕が出るか。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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