『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』 ペンを片手に正義を掲げるジャーナリスト魂に感動!

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 今、日本は、朝日新聞によるスクープで、森友学園に関わる決済文書の財務省による改ざんが明るみになり揺れています。こんなベストタイミングで、7000枚に及ぶアメリカ政府の最高機密文書流出事件(ペンタゴン・ペーパーズ暴露事件)を題材に、巨匠スピルバーグが映画化した本作が公開されるなんて! あまりにもすごすぎるタイミングの公開に、ちょっとワクワクしています~!

 舞台になるのは、いつまでも続くベトナム戦争に疲弊し、国内でも反戦の論調が強くなってきていた1971年のアメリカ。政府は、これまでの戦争の経過とデータをまとめた機密書類を隠し続けてきました。この文書は、実は全く勝ち目がなかったことを知っていたにもかかわらず戦争を続けていた失態が明るみに出てしまう、政府にとっては恐ろしい存在。文書の存在を知ったNYタイムズ、そしてワシントン・ポスト紙は、圧力をかけられ、報道の自由を規制されながらもジャーナリストとしての信念を貫こうとします。

 ストーリーを聞いただけだと、ちょっとお堅い話に聞こえるかもしれませんが、そこは天下のスピルバーグ様! トム・ハンクスというカリスマと、メリル・ストリープという素晴らしすぎる女優のコンビが、サスペンスフルな展開とともに最高のエンターテインメントにしてくれています! 自分の芯にある、正義をもう一度考えさせてくれるのが本作。観た後は、ペン一本で戦いに臨むジャーナリストって、なんてかっこいいんだ! と叫びそうになりました。★★★★☆(森田真帆)

3月30日(金)から全国公開

監督:スティーヴン・スピルバーグ

出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン

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