【フジイコーポレーション、経産省「地域未来けん引企業」に選定】地産地消で地域経済に貢献 90%以上を県内で調達

 除雪機、農業機械製造、鋼材加工販売のフジイコーポレーション(本社・燕市、社長・藤井大介氏)は昨年末、経済産業省の地域未来けん引企業に選定された。経産省によると各企業の選定のポイントは地域経済への影響が大きく、成長性が見込まれ地域経済のバリューチェーンの中心的担い手であること。

 同社はこれまで地域の取引先を優先する購買方針、また古くからの取引先を優先してきた。その他、グリーン調達で環境に配慮する。

 藤井社長は「機械事業の場合、県内で購入ができない品目を除くと90%以上を県内で調達している。一方で県内への販売金額は10%ほどで新潟県の〝貿易黒字〟や活性化に貢献している」と語る。

 外国人材の採用にも積極的だ。大学の留学生の受け皿になっており、在学中からインターンシップで受け入れる。留学生にとっては得意の語学を活用した職場で働けるメリットがある。ある社員は簿記2級相当を外国で取得済みで、CPA(公認会計士)、法学博士課程を取得し入社し即戦力に。

 別な社員は母国から家族を呼び寄せ、住宅を購入。地域に溶け込もうと日本人らしい気質に染まっているという。

 またダイバーシティ経営で勤続50年以上という大ベテランが数人いることも強味だ。幹部にとっては大きな安心感につながる。

 中途採用の活躍も目覚ましい。藤井社長は「大都市圏と比較するとポテンシャルを100%使い切っていない。気づかない才能があり、任せてみるとしっかり業務こなしてくれる」と称える。

 ある女性社員はシステム関連で入社し、次いでCAD、広報、官公庁担当、秘書業務と多彩な役割をこなしてきた。

 藤井社長は地域未来けん引企業選定を契機に地元企業が地域経済を支えるような地産地消の在り方を提案する。

 今冬の大雪では除雪機メーカーの〝沽券〟にかけ2月20日燕三条駅(燕側)の除雪に社員10人と除雪機2台を動員した。一企業が公共施設の除雪をボランティアで行うことはまれで地元ニュースサイトも取材した。

 藤井社長は「県外からの鉄道利用客は駅を降りた途端、雪がすごく大変だっただろう。社員は送迎場の雪をきれいに片づけ、懸命に作業してくれた」と労う。

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