もう一度走る<<21>>/Yasuko Marue

2018年2月17日

驚くことがありました。

いつものように、ラン君がちゅーるを舐めていると

私が持っているちゅーるが欲しくてどんどん上半身が浮いてきて

後ろ足に重心がかかると

数秒

二本足で立ち上がりました。

嬉しかった!

その時に撮った写真は決して褒められたものではありませんでした。

でも、そこには私の喜びと感動が映っていました。

僅かな変化でも本当に嬉しいです。

私が入院中のラン君と過ごせるのは限られた時間なので先生やスタッフの方からお聞きする話はとても興味深いです。

ラン君はトイレを片付ける時に協力的だということは聞いていましたがタオルを敷く時も邪魔をしないようにスタッフの方がやりやすいように動いてくれるそうです。

スタッフの方はラン君を撫でるのが日課になっているそうですが

“そろそろ終わりにしようと思っているとお腹を見せて撫でるようにおねだりしてくるんですよ”と目尻を下げて話してくれました。

そして

“正直、ラン君がここまで心を開いてくれるなんて思ってませんでした。最初の頃はご飯を置くとシャーって言ってたのが噓みたいですね”とラン君の変わりように驚いていました。

1度目の入院の時には誰かが見ているとご飯を食べず、見られてないとわかると慌ててご飯を食べていたそうです。

ラン君の変化にみんなが驚いています。

2月も最後の週を迎えると更に嬉しい変化がありました。

できる限りラン君の近くにいたいので

上半身をケージの中に入れて両腕で包み込むようにしながらマッサージをしていると

私の顎をラン君が頭で押すようになりました。

その仕草が可愛くて

何度もラン君の頭の上に顎を乗せました。

ラン君も私とコミュニケーションを取れるのが嬉しいらしく背伸びをするように頭で顎を押してきました。

2度目の入院生活も3カ月を過ぎた頃、涙を流す程嬉しいことがありました。

に続く

著者:Yasuko Marue (from STORYS.JP)

© 1010株式会社