決勝でエンジンのオーバーヒートに悩まされたボッタス、「冷却に関する計算ミスが原因」

 メルセデスのバルテリ・ボッタスは、25日に行われた2018年F1オーストラリアGP決勝でエンジンのオーバーヒートの問題に対処しなければならず、8位に入るのが精一杯だったという。 

 24日の予選Q3でクラッシュを喫したボッタスは、ギヤボックス交換のため降格となり、決勝レースは15番グリッドからのスタートという困難な戦いに向き合うこととなった。

 オーバーテイクのチャンスがごくまれにしかやってこないメルボルンのコースで、ボッタスは上位を狙って奮闘したが、状況がその戦いを困難なものにした。

「難しいレースになることは想定していたし、仮に他のドライバーが何のミスも犯さないとすれば、自分と相手のペース差が大きくない限りオーバーテイクできないことも分かっていた。特にマシンが数珠繋ぎのまま推移した2回目のスティントのようなときはね」とボッタスは語った。

「僕の走りの助けになるようなことはあまり多くは起きなかったよ」

「バーチャルセーフティカー(VSC)導入で減速していた間に少しだけポジションを稼げたかもしれないけど、それを除けば本当にもどかしいレース展開のままで終わった。マシンが良いのに、僕に打てる手がなかったのだからね」

 さらに、ポジションを上げようとするボッタスの試みは、パワーユニットに生じたオーバーヒートの問題に妨げられた。同じ現象が起きたチームメイトのルイス・ハミルトンは、レース終盤で出力を緩めるように指示を受けている。

「今日の決勝レース用に行ったエンジン冷却の計算に何か間違いがあったのだろうと思う。実際に前のマシンとの差を縮められなかったし、プレッシャーをかけることも長時間できなかった」

「2周くらいはそれもできたけど、その後またスピードを落とさざるを得なくなったんだ」

 興味深いことに、そしてライバルチームたちの見解に反して、ボッタスは今シーズンのメルセデスがパワーユニットの面ではもはや他チームより大幅な優位に立ってはいないと考えている。自分がルノーのニコ・ヒュルケンベルグを捉え切れなったことがそれを示しているというのだ。

「エンジン性能の違いはもはや圧倒的ではない」とボッタス。

「僕たちのエンジンはルノーよりもまだ少しだけ優位にある。だけどそれは圧倒的な差ではないし、ルノーのマシンはコーナーでの動きが悪くない。本当にまったく近づけなかったんだ。どのチームも差が縮まってきているから、勝つことはより難しくなっているね」

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