「津久井やまゆり園」取り壊し作業控え 黒岩知事が献花

 相模原市緑区千木良の県立障害者施設「津久井やまゆり園」の建物の取り壊し作業が4月から着手されるのを控え27日、黒岩祐治知事が同園を訪れた。2016年7月に入所者19人が刺殺された事件の被害者を悼み、献花した。

 知事は「建て替えが終わったときにどこに住みたいか、利用者一人一人の気持ちをしっかりくみ取ってできる限りお応えしたい」と述べた。18年度末までに居住棟などを撤去し、19年度中に新施設の建設を始める見通しで、「新しい施設は小規模にしながら家庭的な雰囲気で過ごせるものを造る。つらい経験をしたが、福祉先進県といわれるようしっかりと造っていきたい」などと語った。

 利用者の家族会「みどり会」の会長は「知事の献花と言葉はとても丁寧だった。困難な計画だったが、知事の思いがあったからこそ、私たちも納得できる計画になったと思っている」と話していた。

 県では建て替え施設と、利用者が仮移転している横浜市港南区の芹が谷園舎周辺に整備する施設や既存施設を合わせて、全利用者130人分の居室を確保する構想を示している。

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