54年の歴史に幕 小田原看護が閉校 小田原市

38人が同校最後の卒業証書を受け取った

 小田原看護専門学校(伊藤進校長)で3月7日に卒業式が行われ、准看護学科に在籍する38人が卒業証書を受け取った。

 1964年設立の同校は、神奈川県の准看護師養成を廃止する方針を受けて今年度での閉校が決まっており、これが最後の卒業式。伊藤校長は「いつでも自己否定をせず、前向きな気持ちを忘れないこと」と訓示を述べた。閉校後に校舎は市へ譲渡されるが、学校設置者である小田原医師会の渡邊清治会長は、「卒業生が戻れる場として、おだわら医療福祉会館内に校旗を保存するスペースを作る」と今後の方針を示した。

 卒業生代表としてあいさつした4児の母でもある安部美加さん(34)は、留守の間に子どもたちが家事を手伝ってくれたエピソードを披露し、「両立できたのは家族の支えがあってこそだった」と涙ながらに感謝の言葉を述べた。

 11日には湯本富士屋ホテルで閉校式が開かれ、歴代の卒業生らが出席した。

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