昨季球団ワースト87敗でどん底を見たロッテ 井口新監督のチーム再建に注目

ロッテ・井口監督【写真:荒川祐史】

昨季は球団ワーストの87敗を喫し最下位に

 ロッテの2018シーズンは、3月30日に本拠地・ZOZOマリンスタジアムで開幕する。対戦相手は昨季3位の楽天だ。井口資仁新監督の下で戦う新シーズン、どん底を味わったチームにとっては、巻き返しを期す重要な1年となる。

 2015年、2016年と2年連続で3位に入り、今年こそはリーグ制覇を……という意気込みをかけて挑んだ昨シーズン。しかし、チームは序盤から大不振にあえぎ、最下位から抜け出すことすらできない深刻な事態に陥ってしまう。

 最終的に喫したシーズン87敗は球団史上ワーストで、5年間でチームを3度のAクラスに導いた伊東勤前監督はオフに退任。精神的支柱の井口もシーズン半ばに引退を表明し、新監督への就任が決定。ひとつのサイクルが完全に終わりを告げるシーズンになった。

 チーム打率が.233、チーム防御率が4.22。投打の指標となる数字がどちらも12球団最下位だったのだから、最終的な順位も納得のいくところかもしれない。チーム防御率が4点台を上回ったのも、チーム本塁打が3桁に乗らなかったのもパ・リーグではロッテのみ。新シーズンに向かうにあたっての課題は山積みだ。

 ただ、2018年に向けて明るい要素も決して少なくはない。二木康太が前年に続いて7勝を挙げただけでなく、内容を大幅に改善させて規定投球回に到達。9月以降は防御率1点台の快投を見せた佐々木千隼や、終盤に先発ローテーションへ加わって5勝を挙げた酒居知史といった、昨年のドラフト上位組も期待が持てる。

ルーキー藤岡、3年目・平沢のブレイクに期待、ベテラン・大隣も加入

 今季は2度の2桁勝利を記録した大隣憲司をはじめ、2013年にレンジャーズで76試合、防御率1.88という圧巻の成績をマークしたシェッパーズといった新しい戦力も加わり、投壊状態だった昨シーズンからのV字回復を目指せるだけの素地は十分にあるはずだ。

 攻撃面では機動力野球を打ち出す井口新監督のもと、荻野貴司や加藤翔平、新人の藤岡裕大といった俊足を武器とする選手が躍動する場面が増えるかもしれない。オープン戦では昨季終盤に成長を垣間見せた中村奨吾と、3年目の飛躍を誓う平沢大河が好調ぶりを見せ、ゴールデンルーキーの安田尚憲らを含めた内野手争いも見ものだ。

 前年最下位に沈んだチームのかじ取りは、決して容易なものではない。しかし、前任の伊東氏も西武時代に、現役を引退した翌年に即監督へ就任し、1年目から見事にチームを日本一へと導いた経験を持つ。伊東氏に一塁へコンバートされて復活を果たした経験も持つ井口新監督としても、早い段階で結果を残し、名将への道を歩んでいきたいところだろう。

 どん底は味わった。今よりも下はない。ならば、あとは上がっていくだけだ。失意の1年を経て、新生・千葉ロッテは青年監督の号令の下、生まれ変わった姿を見せてくれるだろうか。

(Full-Count編集部)

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