ホンダF1、第2戦に向けてトラブル対策に取り組む「全体的なパフォーマンスには満足できた」

 ホンダF1テクニカルディレクター田辺豊治氏が、開幕戦オーストラリアGPで発生したパワーユニットのMGU-Hのトラブルについて、次戦までに分析し、対策を取りたいと語った。一方、開幕戦でのパワーユニットのパフォーマンスは概ね満足できるレベルだったということだ。

 プレシーズンテストでは大きなトラブルがほとんどなく、非常に順調に過ごしたトロロッソ・ホンダだが、開幕戦では予選、決勝ともに良い結果を出すことができなかった。

 予選ではブレンドン・ハートレーが16位、ガスリーが20位とともにQ1で敗退した。決勝ではハートレーはスタート直後にタイヤをロックさせ、予定外のタイヤ交換を行わざるを得ず、最後尾に沈み、タイヤのパンクもあって、1周遅れの最下位でフィニッシュ。ガスリーは1周目にポジションを上げ、16番手を走っていたが、14周目にMGU-H関連のトラブルが発生し、ピットに戻ってリタイアとなった。

「ターン12を過ぎたところでエンジンが止まり、その後、また始動したものの、スロー走行しかできず、シフトアップできなかった」とガスリーはレース後に語っている。

 田辺テクニカルディレクターは、HRDさくらで徹底的な調査を行い、第2戦バーレーンに向けて対策すると述べた。

「テレメトリーにおいてMGU-Hに関係する異常なデータが見られました」と田辺テクニカルディレクターが語ったとRACERが伝えた。

「そのためマシンを止めました。これからデータの詳細とパーツについて調査し、次のレースに向けて何ができるかを考えます」

「パーツ自体がひどいダメージを負っているのかどうかはまだ分かりません。再度使用できるかどうか、調査が必要です」

「プレシーズンテストではこういったトラブルは起こりませんでした。これが初めてです。今シーズンは3基のパワーユニットで戦わなければならず、オフシーズンにはマイレージに関する評価を行いました。3基ということは、5000km以上になるので、マイレージ上、完璧ではありませんでしたが、周回を重ねるなかで、ここまでは問題は発生していませんでした」

「つまり開幕戦でトラブルが起きたり、テレメトリーに異常なデータが出てくるといったことは予想していなかったのです」

 ハートレーは完走したものの、順調なレースではなく、他社のパワーユニットとの比較をするのは難しいという田辺氏だが、概ね満足できるパフォーマンスだったと語っている。

「ブレンドンも、少し難しい状況でした。ただ、今回のレースで確認した全体的なパフォーマンスには満足しています」

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