佐賀知事が基金案 受け入れ農相伝達

 国営諫早湾干拓事業の開門調査問題で、佐賀県の山口祥義知事は28日、斎藤健農相と農林水産省で会談した。国の漁業振興基金案での和解協議進展に理解を示す地元漁協を支持する立場を強調し、有明海再生事業の継続などを求めた。
 会談で山口知事は「有明海の再生がみんなの目的。漁協が和解に進むべきだと決断したので、われわれも支持する」と話し、佐賀県としても基金案による解決を受け入れることを伝えた。その上で漁協が求める再生事業の継続や堤防の排水ポンプ増設などの実現を求めた。
 斎藤農相はこれまで同様、漁協の判断を「苦渋の選択だったと思う。重く受け止める」と応じ、和解での解決を目指す考えをあらためて示した。
 和解協議を巡っては、福岡高裁が開門せずに国の基金案で解決することを勧告。開門派漁業者は勧告を拒否し、決裂する見通し。

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