JXTGホールディングス、チリ銅山事業で減損1250億円

 JXTGホールディングス(本店・東京都千代田区、社長・内田幸雄氏)は28日、連結子会社であるSCM Minera Lumina Copper Chile(本社・チリ国サンチャゴ市、MLCC社)が行うカセロネス銅鉱山事業で減損損失1250億円が発生する見込みとなったと発表した。

 MLCC社が事業を行うチリ・カセロネス銅鉱山(同社権益比率51・5%)は、最終的な銅分を採収する選鉱工程で一部オペレーションがまだ安定せず生産コストが割高なことや、フル操業体制の早期確立に向けた諸費用の増加などにより、当期の事業収支は引き続き損失となる見込み。

 今般、これら操業全般の状況に加え、冬季の気象状況に起因する操業低下リスクや環境対応コストの増加、鉱石ピット内の断層による採掘計画の変更やこれらを踏まえた長期生産計画の見直しなどを織り込み、資産の再評価を実施した。その結果、減損損失として1250億円を計上する見込み。

 粗鉱処理量は既に改善・安定化している。今後、選鉱工程における技術面・習熟度の改善による銅生産量の増加や、採鉱工程、間接部門も含めた全社的な生産性の向上および、いっそうのコスト削減に向けて取り組みを強化していくことにより、翌期から収益性は改善される見通し。

通期業績予想を上方修正/JXTGHD

 JXTGホールディングスは28日、18年3月期通期連結業績を上方修正した。連結純利益は前回公表の3千億円から3350億円に上方修正した。第4四半期における原油や銅などの資源価格、石油製品マージンなどの状況、中期経営計画の基本方針に基づき実施している事業資産のポートフォリオ最適化・再構築などによる業績への影響を精査し、業績予想を修正した。

 修正後の通期連結業績は売上高10兆2500億円(前回公表は10兆2千億円)、営業利益4800億円(同4800億円)、税引前利益4550億円(同4550億円)。

 配当予想は期末配当を前回予想の9円から10円に修正する。前回まで配当予想は年間18円(中間9円、期末9円)だったが、年間19円(中間9円、期末10円)に修正する。前期実績は年間16円(中間8円、期末8円)。

 今期営業利益は前回公表通りの4800億円となる見通し。フリー・キャッシュフローは減損損失など、資金支出を伴わない非資金損失を除く実質利益の改善・積み上げ、事業ポートフォリオの再構築などにより、今年度期初時点の計画を大きく上回る見通し。これらの状況から増配する。

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