花粉80年代前水準に 県が新対策、ヒノキも対象

 2008年度からの「九都県市花粉発生源対策10か年計画」が17年度で終了するのに伴い、黒岩祐治知事は28日の定例会見で、神奈川独自の「県花粉発生源対策10か年計画」を新たに策定したと発表した。

 新たな県計画では、将来目標として県内の花粉量を花粉症が社会問題化し始めた1980年代前半以前の水準に戻すことを掲げた。また、首都圏9都県市による「10か年計画」に基づきスギ林を伐採対象にしてきたが、ヒノキ林も加える。

 林を間伐し、広葉樹が混じる混交林化を進めるほか、伐採した跡地を無花粉や花粉の少ない苗木(花粉症対策苗木)に植え替える。さらに、今後10年間の植え替え量に応じた苗木の生産計画を定め、花粉症対策苗木の安定供給や生産拡大を図る。

 計画は4月から2028年3月まで。混交林化する面積は5千ヘクタール、植え替えは360ヘクタールが目標。今まで実施した面積と合わせると、県内にあるスギ・ヒノキ林の約38%に達する。花粉症対策苗木は、16年の生産量(7万7千本)を計画期間中に15万本まで倍増する。

 知事はこの日、18年度からの「第2期九都県市花粉発生源対策10か年計画」も示し、ヒノキ林の対策や花粉症対策苗木の広域的な需要調整に取り組むとした。

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