「シャーガス病」/「住血吸虫症」 長崎大熱研が研究着手 1億6600万円の助成金活用

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 長崎大熱帯医学研究所(熱研、長崎市坂本1丁目)は29日、総額1億6600万円の助成金を得て、「顧みられない熱帯病(NTDs)」と呼ばれる感染症のシャーガス病の特効薬と、住血吸虫症の地域の感染状況が分かる診断ツールの開発に向けた基礎研究に着手すると発表した。
 いずれも、大学や研究所などの外部機関とともに2年間かけて研究する。国と製薬会社などが設立した公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)から、シャーガス病のチームは約9千万円、住血吸虫症のチームは約7600万円の助成を受ける。
 シャーガス病は、中南米に生息するカメムシの仲間「サシガメ」が人の血を吸う際に原虫が人体に入り込んで発症。慢性合併症である心不全や巨大結腸症で死亡する人もいる。熱研の平山謙二所長は「現在治療できないような慢性患者の救済につながる」としている。
 住血吸虫症は、淡水にすむ巻き貝を中間宿主としてまん延する寄生虫疾患。水と接触した人の皮膚から侵入し、さまざまな内臓の慢性病を引き起こす。熱帯・亜熱帯地域で少なくとも2億1800万人の感染が推定される。熱研の濱野真二郎教授は「どの抗原が治療前後の評価に耐えられるかリストとして提供したい」と語った。

シャーガス病の研究について説明した平山所長(左)と住血吸虫症の研究について話した濱野教授=長崎大熱帯医学研究所