量産可変圧縮比エンジン初採用。ニッサン、新型『アルティマ』をワールドプレミア

2018年03月29日
プレスリリース

新型『アルティマ』をNYモーターショーにて世界初公開

●よりワイド&ローで、引き締まったプロポーションを備えた、表現力溢れるデザイン●優雅でプレミアムな高揚感をもたらす、広々と開放的なインテリアデザイン●世界初の量産型可変圧縮比エンジン“VCターボ”を含む2つの新型エンジンを導入●“インテリジェント4×4”を搭載するなど走行性能を向上

 日産のチーフ・パフォーマンス・オフィサーであるホセ・ムニョスは、「新型『アルティマ』は、新型『日産リーフ』と同様に、クルマがエネルギーをどのように使い、どのように走るのか、そして社会とどのようにつながっていくのかということを再定義することで、日産車をより魅力的なクルマにするアプローチ『ニッサン インテリジェント モビリティ』を体現したモデルです。そして、デザイン、ドライビングフィール、搭載した先進技術やその手頃感によって、セダンセグメントの活性化を目指します」と述べました。

 新型『アルティマ』(2019年モデル)には、5つのグレードを設定し、今秋に米国の日産ディーラーで販売を開始します。また、今後数年間で、新型『アルティマ』は世界の多くの市場で発売する予定です。

ニッサン インテリジェント モビリティ:自動運転技術“プロパイロット”

 新型『アルティマ』は、革新的かつ安心して使用できる高速道路の単一車線での自動運転技術“プロパイロット”を搭載しました。
 
“プロパイロット”は、渋滞走行と、長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動的に制御し、ドライバーの負担を軽減します。

 ステアリングスイッチの操作で簡単にシステムを起動・設定することができるほか、道路と交通状況を把握し、ステアリングを正確に制御して人間が運転している感覚に近い自然な走行を実現することも“プロパイロット”の特長の一つです。

“プロパイロット”は、2019年モデルのSV、SL、Platinumの3つのグレードに標準装備されています。

 また、新型『アルティマ』は後退時に車両後方の静止した物体を検知し、必要に応じて自動でブレーキを作動させて衝突防止を支援する“リアオートマチックブレーキ(RR-AB)”を新たに搭載しています。
 
 同システムは、低速での後退時に物体を検知すると、表示と警告音でドライバーに報知します。それでもドライバーのブレーキ操作が不十分な場合や、衝突するリスクがあると判断した場合には、再度、表示と警告音で報知し、より強いブレーキを作動させます。この新型“リアオートマチックブレーキ”は、SV、SL、Platinumの3つのグレードに標準装備しています。

 また、“トラフィックサインレコグイニション”は、ルームミラー前方のフロントウインドウに取り付けられたカメラが道路脇に表示されている制限速度を検知し、ナビゲーションシステムのデータと組み合わせ、直近の道路の制限速度を“アドバンストドライブアシストディスプレイ”に表示し、ドライバーに報知します。

 また、“オートマチックエマージェンシーブレーキ(AEB)”、“インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)”、“後側方車両検知警報(BSW)”や、“インテリジェントクルーズコントロール(ICC)”、“後退時車両検知警報(RCTA)”、“歩行者検知機能付きエマージェンシーブレーキ”、“車線逸脱警報(LDW)”、“ハイビームアシスト(HBA)”、“インテリジェント アラウンドビューモニター(I-AVM)”など、最新の先進安全技術も多数採用しています。(グレードにより、搭載技術は異なる)

『アルティマ』初の4輪駆動モデル

 新型『アルティマ』は、米国北部のお客さまのニーズにお応えするため、4輪駆動システム“インテリジェント4×4”を初めて採用しました(新型2.5リッターエンジン搭載車に設定)。“インテリジェント4×4”を搭載した4輪駆動モデルは、同地域における『アルティマ』の販売台数の中で、大きなシェアを占めると見込んでいます。

 同システムは最先端のトルクスプリット制御システムを用いて、道路や走行条件に合わせて自動的にトルクを前後輪へ分配します(100:0~50:50)。また、LSD(リミテッドスリップデフ)やヒルスタートアシストと連携して制御することで、坂道発進や悪路走行を含む幅広いシーンでドライバーに自信と運転する楽しさを提供します。

世界初の量産型可変圧縮比ターボエンジン

 新型『アルティマ』は、世界初の量産型2.0リッター直列4気筒可変圧縮比ターボエンジン“VCターボ”を搭載しました。V6ガソリンエンジンと並ぶ動力性能を発揮しながら、4気筒エンジンと同等の低燃費を実現します。

“VCターボ”エンジンは、ピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることが可能となり、圧縮比は8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で自在に変えることができます。

 運転状況に応じてエンジンの制御ロジックは、自動的に最適な圧縮比を選択します。また同技術は、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減、騒音や振動レベルの低減など、多くのメリットがある上に、既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクトです。
 
 最大出力は248馬力、最大トルクは273lb-ft(プレミアムガソリン)となっています。本“VCターボ”エンジンは日本で生産されます。

“VCターボ”エンジン搭載車には、インストルメントパネルに7インチアドバンスドライブアシストディスプレイが採用され、ドライバーは運転中、コントロールの状態を目で確認することができ、その革新的な技術を感じることができます。

 また、この2.0リッター“VCターボ”エンジンは、高速道路走行時の燃費(mpg)が10%以上向上することが期待されます。※1

新型2.5リッター4気筒エンジンを採用

 新型『アルティマ』のもう一つの新しいエンジンは、直列4気筒DOHC 2.5リッター直噴エンジンです。最大出力、最大トルクは、188馬力、180lb-ftで、エンジン部品の80%以上が、新しい部品もしくは新設計の部品となっています。

 本エンジンは、吸排逆転エキゾーストマニフォールド一体型ヘッドや断熱性を高めた樹脂ポートインサート、直噴ガソリン(DIG)システム、可変タンブルコントロールバルブ、ミラーボアコーティング、可変容量オイルポンプ、e-VTC、クールドEGRなどの採用により、出力とトルクを向上させながら、騒音や振動等(NVH)を改善し、燃費の向上とクリーンな排出ガスも実現しています。本エンジンは、テネシー州のデカード工場で生産されます。

 また、新型『アルティマ』はロックアップ領域を拡大したエクストロニック CVTを採用しており、SRグレードではパドルシフトが選択可能です。

初採用された19インチホイール

向上したダイナミック性能とシャシー制御

“インテリジェント4×4”による全天候対応性能に加え、新型『アルティマ』は、サスペンション、ステアリング、シャシーなどの制御システムを改良し、優れた走行性能を実現しています。

 サスペンションには、モノチューブリヤショックアブソーバーを採用し、サスペンションジオメトリーを最適化しました。ステアリングシステムは、新しいデュアルピニオン電動パワーステアリング(DP-EPS)の採用により、操舵感を向上させ、ステアリングシステムのノイズを低減しながらステアリングフィードバックも向上しています。

 また、“インテリジェントライドコントロール(車体振動抑制システム)”、“インテリジェントトレースコントロール(コーナリング安定性向上システム)”、“ビークルダイナミクスコントロール(VDC)”も採用しています。

 ホイールとタイヤは、16インチと17インチの設定に加え、19インチを初採用しました。SRグレードには、チューニングサスペンションとシャシーを採用し、スポーティな乗り心地とハンドリングを提供します。

スポーティなエクステリアとプレミアム感あふれるインテリア

 2017年の北米国際自動車ショーにて初公開され、数々の賞を受賞したコンセプトカー“Vmotion 2.0”からインスピレーションを得たこの新型『アルティマ』は、従来モデルよりも低重心でワイドなスタンスと、ダイナミックになったプロポーションが特徴です。新型プラットフォームと、2種類の新型エンジンレイアウトによってこの独創的なデザインは実現しました。

 日産のグローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ アルバイサは、“日産にとっての最大市場である米国において『アルティマ』は、長年、日産の『顔』となっています。そのため、私たちは新型『アルティマ』では、そのエクステリアデザインを大きく進化させたいと考えました。
 
 そこで、『Vmotion 2.0』のコンセプトカーの着想と要素を反映させて、量産モデルに適用したのです。”と述べました。

 新型『アルティマ』は、従来モデルに対し、1.1インチ車高を下げ、全長を1.0インチ長く、車幅を0.9インチ拡大しました。また、ホイールベースを1.9インチ伸長し、リヤホイールをリヤエンドにさらに近く位置させることで、フロントオーバーハングが短くスポーティなたたずまいになっています。よりスリークで洗練されたデザインを実現した新型『アルティマ』は、Cd値0.26を実現しています。

 エクステリアデザインには、ダーククローム仕上げを施したダイナミックで表現力あふれるVモーショングリルに、デイタイムランニングライトを搭載したLEDプロジェクターヘッドライト、LEDフォグライト、スリムピラーのフローティングルーフ、シングルパネルのムーンルーフを採用しました。
 
 エクステリアカラーには、光の当たる向きや明るさで色合いが表情豊かに変わる、深みのある“スカーレットエンバーレッド”や、反射性顔料を用いた鮮やかな新色“サンセットドリフトオレンジ”など、エクステリアの特徴と彫刻的なディテールを際立たせる幅広いカラーを揃えています。

 インテリアデザインには、薄く水平基調で軽やかなレイヤー表現と空間の広がりを感じさせる“グライディングウィング”デザインのインストルメントパネルに加え、ハイコントラストなカラーやトリムを採用し、デザインと素材のコーディネーションの両面においてラグジュアリー感を演出しています。

「ドアを開けた瞬間に、思わず感嘆せずにはいられない新型『アルティマ』のインテリアは、ドライバーと乗客を視覚的にも感触でも魅了することを目指しました。グレードごとに、プレミアム感あふれるインテリアカラーやトリムアクセントを幅広くご用意しています」とアルバイサは述べました。

 また“Apple CarPlayTM”と“Android AutoTM”に対応した“NissanConnectSM”を全グレードに標準採用しています。8インチのマルチタッチカラーディスプレイで操作する同システムは、Bluetooth®対応の“ハンズフリーフォンシステム”と“オーディオストリーミング”、“ハンズフリーテキストメッセージアシスタント”を搭載するほか、音声認識機能“Siri Eyes Free”や“Google AssistantTM”にも対応しています。また、“NissanConnect”サービス専用のスマートフォンアプリを使って“Apple Watch”や“Android Wear”と連動させれば、遠隔操作でのエンジン始動・停止、ロック・ロック解除、バレットアラートのオン・オフなどが可能です。また、アマゾンの“Alexa Skill”にも対応しています。

 さらに、新型『アルティマ』には、9つのスピーカーを搭載した“Bose®プレミアムオーディオシステム”、8チャンネルのイコライザー設定機能を搭載した新型デジタルアンプと“アクティブノイズキャンセル”なども設定しています。

幅広い車種グレード

 2019年モデルには、S、SR、SV、SL、Platinumと幅広いクレードを設定しました。2.5リッターエンジン(インテリジェント4×4を選択可能)を全グレードに設定し、SRとPlatinumグレードには2.0リッターVCターボエンジン(前輪駆動のみ)も設定しています。
 
 また、VCターボを搭載したPlatinumグレードをベースに開発した限定生産モデルも発売予定です。限定モデルは今夏初旬より事前予約を開始します。

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