防空壕群保存へ「連絡会」 長崎の5団体 世論喚起

 九州新幹線長崎ルート建設現場の長崎市天神町で確認された防空壕(ごう)群について、長崎の市民団体など5団体が、連携して保存に向けた活動を展開する「連絡会」を来月発足させることが、29日分かった。長崎市は「特段の理由がない」として保存しない姿勢を示しているが、シンポジウムなどを通じて世論を喚起する狙い。
 5団体は▽在外被爆者支援連絡会(共同代表・月川秀文さんら3人)▽平和活動支援センター(平野伸人所長)▽平和公園の被爆遺構を保存する会(竹下芙美代表)▽西坂・銭座小学校区勤労者協議会(中村住代会長)▽長崎地区労(小宮伸二議長)。それぞれが市に保存を要望していたが、今後は「銭座防空壕群を保存する連絡会」として連携し市民運動を展開。市側にも保存を働き掛ける。今後、被爆者団体などにも参加を呼び掛けるという。
 5団体が29日朝に長崎市役所前で街頭活動をした際に明らかにした。参加した7人は「長崎市は保存の意思がない」「核廃絶を訴えるための戦争遺構」などと訴えながら、ビラ約500枚を通行人や出勤する市職員に配った。平和活動支援センターの平野所長は「市民に防空壕の必要性を訴えながら世論をつくり、行政を動かしたい」と話した。
 5団体は4月9日午後6時~8時、同市桜町の長崎地区労会館で市民向けのシンポジウムを開く。平野所長や西坂・銭座小学校区勤労者協議会の中村会長らが壕群について話す。入場無料。シンポジウムの後に「連絡会」の結成式を予定している。

© 株式会社長崎新聞社