WEC:新車投入のアストンマーチン、WECプロローグを「完全なレースウイークとして捉えて臨む」

 2018/19年のWEC“スーパーシーズン”に参戦するアストンマーチン・レーシング(AMR)のポール・ハワース代表は、開幕に先駆けて行われる公式テスト“プロローグ”を「完全なレースウイークと捉えて臨む」と語った。

 2018年5月3日に開幕する第1戦スパ6時間から2019年6月のル・マン24時間レースまでの長期間に渡って争われるWECスーパーシーズン。そのシーズン開幕に先駆けて4月6~7日にフランスのポール・リカールで行われるのがプレシーズンテストの“プロローグ”だ。

 今年のレーススケジュールでは、第2戦にル・マン24時間が組み込まれており、シリーズに参戦する各チームは通常より1戦少ない状態でシリーズの天王山に挑むことになる。この対応策として、プロローグでは30時間に渡る連続走行セッションが設けられており、選ばれたチームは30時間連続で走行することが許されている。

 LM-GTEプロクラスでは、新型アストンマーチン・バンテージGTEを投入するAMRのほか、ポルシェ、M8 GTEを投入するBMWなども30時間連続走行が可能となっている。

北米のIMSAシリーズで先行デビューを飾ったBMW M8 GTE。第2戦セブリングではポールポジションと2位表彰台を獲得した。

 AMRを指揮するハワースは「1戦でも多くレースを戦うことは、チームのスイッチを切り替えるためにも重要なことだ」とコメント。「ル・マンに向けて1戦レースが少なくなったことを補うために、プロローグをレースウイークと捉えて挑むことになるだろう」と続けた。

「たとえばピット戦略にも取り組むつもりだ。ピットストップ(の速さ)で毎回2番手にはなりたくない。そこに焦点を合わせていくよ」

「昨年のル・マン24時間での我々のピットストップは最速だった。ブレーキ交換のような作業を含めてもだ。新型マシンでも、同じ領域で作業ができるようにチームの体制を整えている」

 ハワースはまた、プロローグをチームの力を試す機会として利用したいと考えているとしたほか、ライバルに向けて“メッセージ”を送るチャンスだとも述べている。

「ピットストップを予定とは異なるタイミングで行ったりして、ドライバーやチームにプレッシャーテストを課したい」とハワース。

「自チームと他のチームの(戦力差を)推測しあうのは重要なことだ。そうすることで集中することができ、ライバルにはプレッシャーを与えられる」

「最終的には強くて信頼性も高いチームに仕上げたい。スパに向かう前に、我々を見て誰もが『彼らは調子を上げている』と思うようにしたい。スパこそが本当の心理戦が始まるところだ」

10年ぶりのモデルチェンジを果たし、2018年にデビューする新型アストンマーチン・バンテージGTE

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