敵捕手ルクロイが明かした大谷対策、スカウティングレポート「山ほど見た」
エンゼルスの大谷翔平が29日(日本時間30日)、今季開幕戦となった敵地でのアスレチックス戦に「8番・DH」でスタメン出場し、初打席初安打デビューとなった。一方、その後は快音を残せず、5打数1安打1三振。チームも延長11回の末に5-6でサヨナラ負けを喫した。試合後、昨季までレンジャーズでダルビッシュ有投手(カブス)の女房役だったアスレチックスのジョナサン・ルクロイ捕手は「低め勝負」で大谷封じに成功したことを明かした。
大谷がメジャー初打席の初球で魅せた。1点のリードを奪った直後の2回2死一塁。ここで相手先発右腕グレーブマンの初球を捉えると、打球はライト前に抜けた。期待のスターに相応しい初打席初安打で、敵地にも拍手が沸き起こった。一方、その後は出塁できず。第2打席も強い打球を放ったが二ゴロとなり、その後は一ゴロ、二ゴロ、空振り三振と4打席連続で凡退となった。
アスレチックスのスタメンマスクを被ったルクロイはこれらの打席について「別にオオタニとの対戦に関して難しいことはなかった。山のようなスカウティングレポートがあったからね。スカウティングレポートに沿って投げてもらったよ。内容は聞かないでね。秘密だよ」と語った。
昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではアメリカ代表の一員として優勝にも貢献している31歳は「彼の印象? でかいね。スイングは強烈だ。フライに持っていくパワーもある。そこまで多くの試合を見たわけではないけれど。自分たちと対戦しない試合で、パワーを証明してくれると嬉しいね。我々は失点するわけにいかないからね」と、冗談交じりに長打力を警戒していたことを明かした。
大谷との対戦へ入念な分析、「彼のホームランはたくさん見た」
チームから提供されたスカウティングレポートを「山ほど見た」というルクロイの選んだ対策は低め勝負だった。
「ストライクゾーンの低めにボールを集めた。高いボールは持って行かれてしまう。そうなれば、ホームランでダメージを受けてしまう。だから、低めに集め、アウトを取れた」
初打席の初球では91.5マイル(約147キロ)のカットボールが甘いコースに入り、大谷に痛打された。だが、4回の2打席目は2球とも低めに集めて二ゴロに。6回の第3打席も低めのボールを打たせて一ゴロに仕留めた。
ルクロイは第2打席以降、狙い通りのリードで大谷を攻め、抑え切った。分析した打者・大谷のスカウティングビデオには5年間で48本塁打を放っている日本ハム時代の映像も多かったという。
「彼のホームランはたくさん見たよ。打席での打ちミスもたくさん見たんだ。メジャーも一緒だ。投手が失投すれば、その代償を払う。今日だけじゃなくて、将来的にも彼に対してミスを犯さないことが大事だ」
2014、16年にオールスターに選出されたルクロイはこう語った。二刀流のスーパースター相手に低め勝負という戦略も奏功し、初戦勝利を手にしたアスレチックス。大谷は今後、緻密な対策を練る戦略家ルクロイの上をいけるだろうか。
(Full-Count編集部)