「阿波踊り」の運営・管理を手掛けていた徳島市観光協会が破産開始決定

 公益社団法人徳島市観光協会(TSR企業コード:842011153、法人番号:9480005000039、徳島市新町橋2-20、設立昭和46年10月、代表理事:近藤宏章氏)は3月29日、徳島地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には中西一宏弁護士(中西一宏法律事務所、同市徳島本町2-18、電話088-622-3662)が選任された。
 負債総額は約3億8000万円。

 徳島市の観光事業の振興を目的に設立され、「阿波踊り」の運営および管理のほか、PR活動や阿波踊り会館、眉山ロープウェイの管理・運営、徳島の観光案内や徳島県産の物販も手掛けていた。平成29年3月期の売上高は5億9183万円をあげ、374万円の当期純利益を計上していたが、過去の赤字により2億8744万円の債務超過に陥っていた。
 徳島市が債務保証する資金繰りや損失補填のための短期借入金は約4億3600万円(平成29年3月期決算時点)に達していた。
 29年夏より有識者らによる調査団を設置して観光協会の収支状況を調査したところ、疑義のある経費計上が確認された。その後、徳島市と話し合いを行うも、物別れに終わり、徳島市はこれ以上の代理返済をしないことを決定。金融機関から預貯金等を相殺した借入金の債権譲渡を受け、徳島市が破産を申し立てていた。

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