オリックス「勇猛果敢」に頂点目指す ドラ1田嶋、宗、山足ら若手の台頭に注目

オリックス・吉田正尚【写真:荒川祐史】

ロメロ、マレーロ、吉田正、T-岡田…強力打線は健在

 オリックスの2018年シーズンは、3月30日にヤフオクドームで開幕する。本拠地開幕は4月3日、ロッテ戦だ。2016年の6位から4位へと順位を上げた2017年を経て、今季こそAクラス入り、そしてさらにその上を目指すため。長く激しい戦いが幕を開ける。

 今季のオリックスのスローガンは、「BRAVE SPIRIT 勇猛果敢」。この言葉には、「選手、スタッフ、ファンが一体となり、勇気を持って、果敢に挑んでいく」という意味合いが込められている。オリックスに携わるすべての人々が一体となって、チームが上昇気流に乗るか否かを決めるだろう重要な1年に挑むのだ。

 昨季のオリックスで目立ったのは、何といっても中軸の豪快なバッティング。来日1年目から幾度となく猛打を見せ付けたロメロ、途中加入ながら20本塁打を放ったマレーロの頼れる外国人コンビに加え、和製大砲のT-岡田も、本塁打王に輝いた2010年以来の30本超えとなる31本塁打を記録し、完全復活を予感させている。

 また、2年連続で故障による長期離脱を強いられながらも、64試合で打率.311、12本塁打を記録し、改めてその能力の高さを示した吉田正尚。この小さな大打者が、今季こそフルシーズンにわたって出場することができれば、猛牛打線が誇る破壊力は他チームにとってさらなる脅威となることだろう。

 投手陣では、3年ぶりの2桁勝利を記録したエースの金子千尋や、在籍6年目を迎えるディクソンに加え、1年目から新人離れしたピッチングを見せて8勝をマークした山岡泰輔、同じくルーキーながら55試合に登板して25ホールド2セーブを記録した黒木優太といった新たな力も台頭してきている。

 昨年のドラフトで指名され、社会人ナンバーワン左腕と評された田嶋大樹や、同じく社会人出身の快速右腕K-鈴木といった期待の新人たちが、今季は新たにチームの一員となる。即戦力としての活躍が待望される2投手は、先達に続いてチームの投手陣にさらなる安定感をもたらす存在となれるだろうか。

金子、西、ディクソン、山岡ら先発陣も豊富、守護神には日本ハムから増井を獲得

 そして、メジャーリーグに挑戦した平野佳寿に代わる守護神として、日本ハムで8年間にわたってリリーフ投手として活躍し、通算129ホールド・110セーブをマークしてきた実績十分の増井浩俊を新たに獲得。試合の最後を締めくくる存在として、その右腕にかかる期待は大きい。

 MLBからの復帰後年を経るごとに調子を上げている中島宏之や、移籍後に悩まされ続けたケガを克服し、復活への足がかりをつかんだ小谷野栄一、難病と闘いながら華麗な遊撃守備でチームを盛り立てる安達了一ら、ベテラン選手の活躍も語り落とせない。

 しかし、今のチームには若い力の台頭も目立ってきている。昨季初めて出場試合数を100に乗せて正捕手に大きく近づいた若月健矢や、97試合の出場で打率.295を記録した武田健吾をはじめ、オープン戦で大活躍を見せた宗佑磨など粒ぞろい。鮮烈なブレイクを果たす若き力が今季も台頭するか、今から注目しないわけにはいかない。

 若手・ベテラン・外国人と各セクションに多くの実力者を揃えた2018年のオリックスは、ひとたび歯車がかみ合えば、パ・リーグの台風の目となる可能性を秘めているはずだ。

 ソフトバンクと熾烈な優勝争いを演じ、関西を熱狂させた2014年の再来なるか。逆襲を誓う猛牛軍団の「勇猛果敢」な戦いぶりに期待したいところだ。

(Full-Count編集部)

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