スーパーフォーミュラ:王者石浦がテストで感じた「戦える」手ごたえと「悩み」

 富士スピードウェイで3月28~29日に行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第2回公式合同テストで、石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が2日目午後のセッションを制した。この日の午前のセッションでも2番手タイムを記録した2017年チャンピオンは、テストの感触について2018年シーズンを「戦えるという手ごたえはある」と語る。

 石浦は.テスト初日には午前と午後のセッションでともに4番手タイムをマーク。2日目は午前のセッションで、1分21秒630という2番手タイムを記録した。これは、野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がマークしたトップタイム1分21秒621から0.009秒差という僅差だった。

 今回のテストでは2日間ともに午前のセッションでオーバーテイクボタンが2回使えることになっている。初日午前のセッションでトップだった関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は1分21秒861のトップタイムをマークしたアタックラップで「オーバーテイクボタンを2回押した」とコメントしていた。

 石浦も2日目午前のセッションでは、オーバーテイクボタンを使用したという。

「(午前のセッションのアタックでは)ソフトのニュータイヤを履いて、オーバーテイクボタンは2回使いました。オーバーテイクボタンを押してどのくらいタイムが詰まるかというと、コンマ4秒くらいでしょうか。ただ、僕はストレートが伸びなくて……。周りが310km/hくらい出ているのに、僕は302km/hしか出なかったんです。クルマのセットなのか、その伸びがないことに悩んでいます」

 2日目のタイム、順位ともに上位で終えた石浦だが、その感触については少々戸惑いも感じているようだ。

「(2日目の)午前中はミディアムのユーズドタイヤ、ソフトのニュータイヤともに、両方合わせ込めているなと手ごたえ感じていました。ただ、午後はミディアムのニュータイヤで走行したのに思ったようにタイムが伸びなくて。最後に走行したソフトのニュータイヤではそれなりにタイムが出ましたが、ミディアムのニュータイヤでタイムが出なかったので、すっきりしないまま終わってしまいましたね」

 一方で、4月に迫る開幕戦に向け、勝利に必要なものははっきりとつかんでいる。

「ソフトタイヤとミディアムタイヤに対する理解は進みました。(鈴鹿、富士の)テスト4日間が終わって、手ごたえとしては悪くありません。戦えそうだ、という手ごたえはありますから、それが一番大事ですね。今日走行した感覚だとロングランはいいので、開幕戦に向けて一発のタイムが出るようなクルマ造りと、僕のドライビングをしっかり詰めていきたいと思っています」

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