WTCR:“ハコの名手”トンプソンがミュニッヒ加入、初年度26台全グリッド確定

 WTCC世界ツーリングカー選手権で、ホンダ・アコード・ユーロRなどをドライブして活躍したイギリス人、ジェームス・トンプソンがWTCR世界ツーリングカー・カップにミュニッヒ・モタースポーツから参戦することを発表。自身にとって初のTCR規定マシンでのシリーズエントリーを果たすこととなった。

 すでにアナウンスされているエステバン・グエリエリ、ヤン・アーチャーに続きミュニッヒ・モータースポーツ3台目のFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブすることとなった43歳のトンプソンは、2016年に6度のトップ10フィニッシュを記録したWTCC以来の世界的ツーリングカーシリーズ復帰参戦となる。

 これまでトンプソンはBTCCイギリス・ツーリングカー選手権で2度のドライバーズチャンピオンを獲得。それ以外にも、DTMドイツ・ツーリングカー選手権やDTCドイツ・ツーリングカー・カップ、ETCCヨーロッパ・ツーリングカー選手権にSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権など、“ハコの名手”として数多くのマシンを乗りこなしてきた経歴を持っている。

 これで開幕戦にエントリーする全26台のグリッドが確定することとなり、3月28日(水)にはスペイン・バルセロナに全エントラントがそろったシーズンラウンチ兼公式テストが開催され、トンプソンも初のTCRカーのステアリングを握った。

 ただし、パドックの噂ではトンプソンの参戦プログラムや契約期間はチームから明らかにされておらず、ミュニッヒ・モータースポーツの創設者でラリークロス・ドライバーとしての顔も持つレネ・ミュニッヒが、シーズン後半にトンプソンに変わってシビックのシートに座る可能性も残されているという。

 セバスチャン・ローブ・レーシングのエースで、ウイルス性疾病で欠席となった2012年WTCC王者ロブ・ハフを除く全参戦ドライバーが参加したバルセロナテストでは、午前のセッションでぺぺ・オリオラ駆るセアト・クプラTCRがトップタイムをマーク。

 午後のセッションもオリオラのチームメイトであるジョン・フィリピがクプラTCRで速さを見せ、地元スペイン、カンポス・レーシング勢が連続トップタイムでテストを締めくくった。

 その他、今季からアウディRS3 LMSの4台体制を敷くコム・トゥ・ユー・レーシングのナサニエル・バートンが午前、午後ともに3番手タイムの好走を披露している。

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