強制わいせつに問われた男性無罪 地裁川崎支部判決 「客観的証拠なし」

 川崎市高津区の路上で女性の胸などを触る行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた同市の40代男性会社員の判決公判が29日、横浜地裁川崎支部であり、大野崇裁判長は「客観的な証拠がなく、証言にも信用性があるとは言い切れない」などとして、無罪(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 男性は2016年9月24日午前1時半ごろ、同区の路上で、区内に住む女性会社員=当時(26)=の胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、起訴されていた。

 大野裁判長は判決理由で、胸を触られたり、キスをされたりしたなどとする女性の証言に曖昧な点があったと指摘。「供述に変遷があり、認定することはできない」などと判断した。

 閉廷後、男性の弁護士は「証拠や証言の内容をよく見てもらった。適正に、勇気をもって判断してもらった」と話した。

 横浜地検の山口英幸次席検事は、神奈川新聞社の取材に対し、「判決文を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。

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