開発の地の原爆展 中止に 「投下正当化の世論は根強い」 長崎県被爆者憤り

 広島、長崎両市が米ロスアラモスで計画していた原爆展が中止されることについて、被爆者で長崎平和推進協会継承部会の前部会長、末永浩さん(82)は「原爆開発の拠点になった地の住民にこそ、原爆がどういう被害をもたらしたか知ってほしかった。原爆投下を正当化する米国の世論はいまだに根強いと感じた」と憤った。
 広島市の原爆資料館の諏訪良彦副館長は「開発の地での開催はインパクトが大きく、核兵器廃絶の実現に寄与すると思っている。将来的な開催に向け、現地の博物館と協議を続ける」と述べた。一方、長崎市被爆継承課の松尾隆課長は「中止の理由を把握しておらずコメントしづらい」と話した。

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