子育て相談先 ネット最多 NPO法人 佐世保市内母親にアンケート 身近に頼れる人少なく 「夫婦で役割分担を」

 佐世保市のNPO法人「ちいきのなかま」は、市内の子育て中の母親に出産体験についてアンケートをした。結果からは、多くの母親が育児経験が乏しい状態で子育てを始める一方、身近な人に頼ることが少ない現状が明らかになった。ちいきのなかまは「産後の生活支援の仕組みや、産前に夫婦で役割分担について話すことが必要」と訴えている。
 アンケートは2015~17年にかけて実施。ファミリーサポートセンター佐世保の登録会員や本島町の「親子ひろば よんぶらこ」の利用者など20~40代の女性239人が協力した。出産前に赤ちゃんを抱いた経験や初産の不安の有無など9項目を尋ねた。
 出産前に赤ちゃんや子どもを抱いた経験については「あまりなかった」と「全くなかった」を合わせると約65%を占めた。子育てで困ったときの相談先について(複数回答)は「インターネット・SNS」が270人と最多。「親」が112人、「雑誌・テレビ」が105人と続き、「夫」は33人にとどまった。
 産後うつで自殺に至るケースが多い産後4カ月までに大変だったことについても質問。「まとまった睡眠時間が取れなかった」と答えた人が多く、家事ができないことや頼れる人の不在、孤立感を訴える人もいた。
 ちいきのなかまの山崎翠(みどり)さん(37)は、多くの母親がインターネットを頼りにしている調査結果について「同じ経験をしている人を探し『自分だけではない』と安心する人が多い」と分析。「(子育て中の生活は)母親1人ではできない。母親が“できない”と言える場を少しでも増やすことが大切」と話した。

© 株式会社長崎新聞社