農業と漁業の共存へ開門を 営農2社と漁業者ら集会

 国営諫早湾干拓事業の開門調査を巡り、開門反対から開門姿勢に転じた営農者2社と有明海沿岸4県の漁業者ら約80人が31日、諫早市中央干拓で集会を開き、農業と漁業の共存を目指し、開門調査を求めるアピールを採択した。
 5年ごとの農地の利用権再設定を巡り、県農業振興公社は2社に3月末までの退去を通知。しかし、2社は調整池に飛来する野鳥に農作物を食い荒らされたとして、同公社などに損害賠償と開門を求めて提訴。2社とも退去してしない。
 2社のうち、マツオファームの松尾公春社長は集会で、寒暖差が激しい営農環境などを挙げ「農地周辺の調整池が農業を邪魔している。開門して農業者も漁業者も安心できる方法を考えたい」と訴えた。
 2社の代理人弁護士は31日、取材に対し、整備不良の農地に多額のリース料を支払ったとして、リース料を返還するよう同じ訴訟の中で請求したことを明らかにした。

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