キリシタン博物館オープン 伝来時からの歴史紹介 大浦天主堂敷地内

 禁教下の迫害や潜伏を含めた日本におけるキリスト教の歴史を紹介する「キリシタン博物館」が1日、長崎市南山手町の大浦天主堂敷地内にオープンした。
 大浦天主堂は、今夏の世界文化遺産登録を目指す「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ。カトリック長崎大司教区が、隣接する旧羅典神学校(国指定重要文化財)と旧長崎大司教館(県指定有形文化財)を改装して開設した。
 開館式には関係者約30人が出席。名誉館長の高見三明長崎大司教は「キリスト教が長崎において大きく成長していく過程を知ってもらいたい」とあいさつした。
 博物館には、戦国時代のキリスト教の伝来から繁栄、弾圧、潜伏、現在に至るまでの歴史をパネルで紹介。複製された踏み絵、殉教絵画、マリア観音像など資料130点を展示している。天草・大江地区の潜伏キリシタンの信心道具では4点が国内で初公開となった。殉教絵画では、長崎で55人のキリシタンが処刑された「元和の大殉教」(1622年)を描いた油絵がある。

複製された踏み絵などを鑑賞する来館者=長崎市、キリシタン博物館

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