金属行人(4月2日付)

 新年度を迎えた。都心の桜は散り始めているが入社式を行う企業も多く、まさに春本番といったところだろうか▼毎年この時期、入社式や入学式などのニュースが報じられる一方で、さまざまな〝値上げ〟も話題になる。特に今年2018年は、ちまたでは「値上げの年」などと言われている。昨年末から今年年初にかけて宅配便や年賀はがきが値上げされたのは記憶に新しい▼今月以降に値上げが実施されるのは、ビールやワインの酒類、納豆、たばこ、電気・ガス料金、コーヒー、牛丼、ヨーグルトなど。実に多岐にわたるが、我々の生活に身近なものが多い。5月からはティッシュペーパーなど紙製品の値上げも予定されている。某ヨーグルトメーカーは内容量を減らして希望小売価格を下げるが、グラム当たりの価格は実質値上げになるという▼家計を直撃する値上げ攻勢。そのほとんどの理由は「原材料や人件費の高騰」という。ここ数年、連日のように弊紙の紙面をにぎわせる文言が並ぶ▼鋼材価格も値上げ局面が続くが、末端需要家がどこまで対応できているのか。一部からは「立て続けに値上げが実施され、今の仕入れ価格が一体いつの値上げを反映したものなのか戸惑う」との嘆き節も聞こえてくる。

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