獅子がユニークに舞う 勇壮「木場浮立」 保存会の60人 笛や太鼓に合わせ

 300年以上の伝統がある県指定無形民俗文化財「木場浮立」が1日、佐世保市黒髪町の上木場公園で地域住民らを前に、勇壮に披露された。
 木場浮立は1690年、佐賀県西有田から木場地区に伝わった。もともと農民の雨乞い行事だったが、その後、豊作祝いや農民の娯楽として受け継がれてきた。
 戦後一時途絶えたが、1953年に地元有志で木場浮立保存会を結成。次世代に継承する活動を続けている。現在は年に1度、4月の第1日曜日に発表会を開いている。
 今年は3~84歳の約60人が参加。大名行列で公園内を周回した後、笛や太鼓の音に合わせ、雨が降った喜びを表現した踊りなど7種類の舞を披露。木の皮で作られた独特の獅子がユニークな動きを見せると、大きな拍手が上がった。
 今年初めて舞を披露した市立黒髪小6年の川村斎輝君(11)は「緊張したけど達成感がある。これからも続けたい」と笑顔。保存会の川口文雄会長(77)は「後継者不足で存続が危ぶまれているが、毎年子どもたちの頑張りが楽しみになっている」と語った。

木場浮立で、ユニークな動きを見せる獅子=佐世保市、上木場公園

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