なでしこジャパン、アジア杯への試金石となる試合の行方は

なでしこジャパンはとガーナと対戦。今回も元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんに語っていただきます!

立て直しの真価が問われる大事な一戦

なでしこジャパンの決定力と守備の立て直しはできているか。

その真価が問われる、ガーナとの強化試合。

体調不良のため、この試合を欠場した、長谷川唯選手の穴をどう埋めるか。

そして、海外組が合流していない中で誰がそこを埋めるか。

ベテランの川澄を2年ぶりに代表に復帰させ、どう攻撃力に活かすか。

それらに注目が集まった。

スタメンは、

GK 池田 

DF 鮫島、高木、市瀬、有吉  

MF 増矢、阪口、隅田、中島  

FW 岩渕、田中

試合は、前半7分、岩渕が、相手ディフェンダーを、かわして左足でシュートを打つが、相手のGKに弾かれる。

前半14分。増矢のスルーパスに、田中がペナルティエリア左に流れながら、ボールを受け、抜け出し、GKと1対1になり冷静に左足が決める。日本が先制。

田中は、直前のリーグ戦第2節で、パルセイロ長野の強固なDF陣にまさかの完封負けを喫したが、この試合では見事な動きを見せた。田中のゴールへのセンスはピカイチだ。

前半24分。ガーナは、ゴール前へのクロスを中島がヘディングでクリアーするが、浮き球のルーズボールをFWアイヤムが、ヘディングシュートし、ボールはクロスバーに当たったこぼれ球を、自らが左足で蹴り込んで、1-1の同点とする。

前半29分。日本は、右コーナーキックからのボールを、増矢が、ミドルシュートを右足で打つが、相手GKがファインセーブで、コーナーキック。

右コーキックを、ガーナがクリアーしたこぼれ球を、田中がキックフェイントから相手2人をかわして右足でシュート。

相手GKが再び弾くが、岩渕がこぼれ球を押し込んでゴール。日本2点目。

岩渕のゴールはもはや当たり前で、やはり彼女には沢山のゴールを期待してしまう。

前半42分。日本は左サイドからのボールを右サイドで中島がゴール前に折り返す。このボールを走りこんだ増矢が、右足でダイレクトで蹴りこんで追加点。しっかりコースに蹴り込み安定していたシュートだった。

ここで前半終了。

メンバー交代がなく開始された後半3分。センターバックの市瀬のフィードのボールを、ボランチの隅田がつなぎ、中島がダイレクトで右足のミドルシュートを打ち、ゴール左隅に決まり、日本4点目。

隅田と中島のダイレクトのプレーが光る攻撃だった。新たなコンビネーションが生まれた。

後半7分。日本は、右サイドバックの有吉がゴールラインぎりぎりからのクロスを上げ、中島が相手DF2人と競りながらダイビングヘッドを決めたかに見えたが、有吉のクロスが、ゴールラインを出たと判定されて、ノーゴール。

注目の川澄、清水の出場

後半14分。田中、中島、有吉に、代えて、右サイドに、注目の川澄、清水が入り、FWに菅澤が入る。

川澄は、右サイドから、クロスボールをあげ、岩渕のヘディングシュートのチャンスを作り、存在感を示す。

後半23分。GK池田に代り、山下が入る。ボランチの隅田に代えて猶本が入る。

後半29分。日本は右のショートコーナー。岩渕のリターンを受けた川澄が、ファーサイドにクロス。阪口が得意のヘディングシュートを打つが、相手GKが弾く。弾いたボールを、コーナーキックで上がっていたセンターバックの高木が押し込み、5点目。川澄のクロスの精度は未だ健在だ。

後半32分。左サイドの増矢に代えて、中里が入る。

後半34分。右サイドの清水のパスを受けた菅澤が、相手DFと競りながら右足で打ったシュートがDFの足に当たりながらも、浮き球でゴールに入り、6対1。

さらにたたみかけて後半38分。右サイドからの川澄の正確なクロスに、鮫島が左足であわせて、7点目。このまま終了。

アジア杯に向けて

日本は、ヨルダンで6日から行われる来年の女子W杯フランス大会予選を兼ねた女子アジア杯に臨む。1次リーグはオーストラリア、韓国、ベトナムと対戦し、8チームが参加するこの大会で5位以内に入れば、W杯への出場権を獲得する。

もちろん、ヨルダンのアジア大会では、今回の親善試合のようには甘くない。そして、試合するたびに一人一人が成長し、チームとしてしっかり完成させていかないといけない。

それでも、日本は、右サイドから川澄が再三、正確なクロスをあげて、攻撃の好機のパターンを作った。4年前のベトナムでのアジア杯初優勝もリオデジャネイル五輪予選の敗退も経験している、川澄の経験と活力は、今の大人しいなでしこジャパンには、必要だと思う。

左サイドは、今回活躍した増矢と長谷川唯が復帰して、攻撃のバリエーションを増やす。

やはり課題は、スピードとパワーのオーストラリア戦で、日本のディフンダーが、守備でミスなく、マークし相手に密着して身体をぶつけて失点を防ぐことができるか。センターバックの熊谷のパートナーを含めて、連携連動を図る必要がある。

今回の試合を見ていて思ったのは、やはりしっかり決めないといけないシュートを、外してしまう場面が多かった。フリーでのシュートなどきっちり決めていかないと、さすがに強い相手になったら勝ち目はないと思う。強い相手だとチャンスもなかなかこないし、その一度のチャンスを決めないことには絶対勝利は見えてこない。

そして、今回大勝したように見えるが、7点取れる相手に1失点というのはさすがに気になる。

相手に全くシュートも打たせないというくらいのディフェンスをしなければいけない。今回ガーナは、ほぼパスをミスし、いい形でシュートもほぼなかったので、相手に合わせるのではなく自分たちのサッカーをどんなときもやってほしいなと思った。

長崎のみなさんの後押しを受けて、なでしこのみんなは必ずワールドカップの切符を手にしてくれる、そう願う毎日です!

頑張れ、なでしこジャパン!

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