壱岐で大型無人機実験 米軍用機メーカー 民需開拓へ計画

 米国の軍用大型無人航空機メーカーが壱岐空港を拠点に海水温観測や海難救助支援といった軍事以外の目的で無人機を利用できないか探るため、実証試験を計画していることが3日、分かった。長崎県壱岐市などと協議し、機体や運航の許可申請に向け国土交通省と調整している。
 国内では宇宙航空研究開発機構(JAXA)が災害監視用に無人機を開発中。国交省航空機安全課によると、民間企業が固定翼の無人機を飛ばした例は把握していない。
 壱岐で実証試験を計画しているのはジェネラル・アトミクス(GA)社。同社や関係者によると、使用機種は海上偵察用に開発された「ガーディアン」(両翼の長さ20メートル、全長11メートル)。地上から遠隔操作する。
 GA社は民需開拓のため日本の複数の空港を調査。壱岐空港は定期便が長崎空港と結ぶ1日2往復しかなく、民有地のない海上ルートを飛行できることなどから適地と判断された。これまで住民説明会を複数回実施し、反対意見はなかったという。
 試験期間は準備を含め3カ月、うち2~3週間を飛行に充てる予定。漁業に役立つ海水温観測や遭難者の捜索などの利用を想定しており、大学や研究機関に共同研究を打診している。

壱岐で実証試験が計画されている無人機ガーディアン(ジェネラル・アトミクス社提供)

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