電線業界の18年春季交渉、ベースアップ回答が8割 年間一時金は前年並み

 電線業界の2018年春季交渉では約8割の企業でベースアップの回答があった。産別労組である全日本電線関連産業労働組合連合会(全電線、中央執行委員長・岩本潮氏)に加盟する34の労働組合のうち、前回よりも三つ多い26労組がベアの回答を受けている。ベアの平均額は1032円。年間一時金の回答は3・97カ月分で、前回とほぼ同水準だった。

 ベア回答した電線メーカーのうち組合員数が1千人以上の企業が平均で1250円(前回は1167円)の賃金改善を実施。300~999人の企業は1千円(同820円)、299人以下の企業が991円(同720円)だった。今回は全体として昨年実績を上回る賃金改善の回答が多く、新たにベアがあった企業もある。

 年間一時金については組合員平均・月数ベースで全体の約7割にあたる24労組が前回から増加している。また月数ベースでは全体平均でほぼ横ばいだったものの、金額ベースでは賃金改善の影響などもあり前回から増加している。

 全電線では「世間の要求水準に照らし、満足と言える結果ではない。だが先行きの不透明感を強める社会情勢や電線関連産業の状況を踏まえて、組合員生活の安心につながったのでは」としている。

 全電線では今回の春季交渉で35歳標準労働者賃金で3千円以上のベア、年間一時金5カ月分中心を要求水準として掲げていた。

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