三菱マテリアルと麻生、焼却飛灰の処理施設稼働

 三菱マテリアルと麻生は3日、焼却飛灰のセメント再資源化事業を行う共同事業会社「北九州アッシュリサイクルシステムズ(KARC)」が4月から営業運転を開始したと発表した。総工費は約12億円で、1日当たりの最大処理能力は116トン。同工場で処理した焼却飛灰は三菱マテリアルのセメント工場である九州工場をはじめ、近隣のセメント工場でリサイクル利用する。

 KARCは、焼却飛灰中の塩素をセメント資源化が可能となる低濃度まで洗浄できるという三菱マテリアルの技術と麻生の事業ノウハウを生かす事業会社として昨年4月に設立。昨年5月着工した焼却飛灰処理施設が3月に竣工した。

 日本国内における最終処分場は、残余年数が現時点で20年程度といわれる一方、新設が困難なことから廃棄物の最終処分量の削減による延命対策が課題となっている。国内で最終処分される一般廃棄物の焼却残渣は年間約440万トン(14年度実績)で、そのうち約25%はセメント原料などにリサイクルされるが、残りは最終処分場で埋立処理されている。なかでも焼却飛灰は含有する塩素濃度が高いためにリサイクルが進まず、1年間に約70万トン(両社推定)が最終処分されている。

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