“ドラ党”ミュージシャンが夢の対談 2人が期待を寄せる「期待の若手」は…

生粋のドラゴンズファンである「KEYTALK」のドラマー・八木優樹氏(左)と「フラワーカンパニーズ」のベーシスト・グレートマエカワ氏【写真:岩本健吾】

フラワーカンパニーズ・マエカワ氏とKEYTALK・八木優樹氏が熱弁!

 いよいよ2018年のレギュラーシーズンが開幕したプロ野球。シーズンオフ~オープン戦を経て、各チームがリーグ制覇に向けて戦力を整えてきたなか、注目のチームとして挙げられるのは、何といっても松坂大輔投手が入団した中日だろう。そんな中、“大の中日ファン”を公言するミュージシャン同士の対談が「Full-Count」で実現。結成29年、デビュー23年目を迎えた「フラワーカンパニーズ」のベーシスト・グレートマエカワ氏と、キャッチーなサウンドとメロディーで魅了する「KEYTALK」のドラマー・八木優樹氏だ。進行役は、この4月から「Full-Count」とコラボレーションすることになったFMおだわら「NO BASEBALL, NO LIFE.」のメインMCを務めるファンク・バンド「SCOOBIE DO」のドラマー・オカモト“MOBY”タクヤ氏だ。

 生粋の“ドラ党”2人は初対面にもかかわらず、第1弾「ドラゴンズ愛に目覚めた瞬間とは」について語り始めると、すぐに意気投合。第2弾は「期待の若手」「音楽とドラゴンズを繋ぐ秘話」に花を咲かせてくれた。(構成:久保田泰平「NO BASEBALL, NO LIFE.」)

――さて、2018年のドラゴンズ、期待している若手選手は誰でしょう?

八木「まずは近藤弘基選手」

マエカワ「それはオレも期待してる。キャンプ情報なんかで今年はイイっていう話を耳にしたんでね。今年、スタメンに入ってきたら面白いんじゃないかな」

八木「そう、僕もそう思います。僕の中での予想スタメンからは外れるんですけど、入ってきたら面白いっていう、まったくその通りで。予想スタメンではなく、希望スタメンに挙げたいですね」

マエカワ「うんうん。あとは福田永将選手なんかが4番に定着したら面白いね」

八木「去年はゲレーロ選手のケガがきっかけで出場機会を得たんで、まだ1シーズン通して出たことがないんですけどね。いずれはクリーンナップを打てる人って言われてて、ここ1、2年でようやく才能の片鱗を見せてきましたけど、今年はスタメン定着でいくぞ、みたいな感じじゃないですかね」

マエカワ「40本は打てる逸材だよね」

八木「1年間フルで出たらどんだけの数字を残すのかっていう」

マエカワ「去年は……95試合? 規定打席に達してないんだよね。福田選手のイメージってね、その昔の山崎武司に近い。愛工大明電から入ってきて、オープン戦でバリバリ打ってて、これは即出てくるぞと思ったら出てこなかった(笑)。高校通算56本塁打も一線級相手だとダメなんだろうなって思ってたら、ちょっとしてから出てきて、すごい活躍してね」

八木「福田選手もそうであるよう願いたいですね。同い年なんで、それもまた余計に応援したくなる理由で」

「フラワーカンパニーズ」のベーシスト・グレートマエカワ氏【写真:岩本健吾】

2人が中日で花開いてほしい二塁手とは…

――キャンプ中、松坂投手から一番最初にホームランを打ったのが福田選手ですよね。

マエカワ「そっか、横浜の先輩後輩! それと、ポイントということでは大野捕手も見逃せないね」

八木「そうですね、肩も大丈夫そうだし。もう、逆方向に飛ばすのがメッチャうまい選手ですよ。大野選手にも期待ですけど、ケガから復活した桂選手とか杉山選手とか松井選手とかね、キャッチャーが定まったらいいなって思います」

マエカワ「そうだね、ピッチャーに楽しみな逸材が多いだけにね」

――小笠原投手も柳投手も花開く直前みたいな感じじゃないですか。

マエカワ「小笠原選手は、今までの中日にはあまりなかったキャラじゃない? 可愛がられるだろうし、まだ3年目だしね。あとは鈴木翔太投手にも期待しちゃうな。去年、途中まですごく良かったじゃない」 

八木「離脱さえしなければ、ですね。課題は1年投げきれる体力ですかね」

――背番号は「18」でエース候補として期待されていますね。昨シーズンの与四死球が69イニングで47個と、やや制球に課題が残りそうです。

マエカワ「それで替えられたりっていうシーンもあったからね」

八木「すごくイイ感じで抑えてたと思ったらストレートのフォアボールを出したりとか、やはり体力ですかね。でも、去年は地元・浜松での勝利インタビューが良かったですね。『やっと1軍で投げられて…』みたいな涙のインタビューで、TVでそれ観てたから、今年は大成してほしいなって」

マエカワ「勝手な親心っていうかね、この子に頑張って欲しいなっていうね」

八木「みんな頑張っているんですけどね(笑)」

マエカワ「そう、そうなんだけど(笑)。親心でいえば高橋周平選手ね。セカンドのレギュラーは亀澤選手って言いたいところだけど」

八木「現時点では、たしかに亀澤選手ですかね」

マエカワ「やっぱり最後の期待というか、去年のシーズン途中にトレード候補なんて言われてたりしたじゃない。あれは心が痛かったしさ」

八木「中日で花開いてほしい選手ですよね」

マエカワ「今はロマンしかない(笑)」

「KEYTALK」のドラマー・八木優樹氏【写真:岩本健吾】

マエカワが明かす驚きのドラゴンズ秘話、1999年優勝の瞬間に…

――マエカワさんには、ドラゴンズと音楽を繋ぐとっておきのエピソードがあると聞きます。

マエカワ「そうそう、1999年の優勝の時の話ね。あの時、神宮でのヤクルト戦で優勝が決まりそうだからって当日のチケットを買おうと思ったんだけど、寝坊して取り損なってね。しょうがないから近くの居酒屋で友達と飲んでて、優勝が決まる瞬間に神宮に向かったの。そしたら、向こうの方で派手な服を着たオジサンが中日ファンに囲まれて写真撮ったりしててね。優勝ともなるとこういう愉快なオジサンが出てくるんだよなあ……と思ってよく見たら(忌野)清志郎さんだったの(笑)」

八木「うわっ!」

マエカワ「俺もまさに『うわっ!』となって(笑)。清志郎さんとはその2年前ぐらいにお会いしていて、中日の話もしたことがあったんだけど、『清志郎さん!』って声かけられるような仲でもなかったし、俺のこと憶えてるかなあと思って近づいてったら、マネージャーさんが覚えてくれてね。

 それで清志郎さんと『良かった! おめでとう!』って握手したんだけど、そのあと清志郎さんが『俺が今からどこへいくか知ってるか?』って。まぁ見当もつかないから『いやあ、どこですか?』って返したら、『赤坂に祝勝会に行くんだよ』ってタクシー乗って去ってたの。それがスゲェかっこよくてさ」

――颯爽と去っていったんですね(笑)。

マエカワ「優勝の瞬間に会えてうれしかったし、そこで清志郎さんと握手できたのはホントうれしかったね。そもそも清志郎さんもさ、東京生まれの中日ファンだよね。ずいぶん前の「ロッキンオンジャパン」の表紙でさ、中日のユニフォームを着てたのがあってね(94年8月号)。「23」番の、当時は川又選手が着ていた背番号のユニフォーム着てたんだけど、地元が近いっていうことで川又さん本人からプレゼントしてもらって、そっから中日ファンになったんだって」

八木「そうだったんですね」

マエカワ「川又さんは清志郎さんのライブをよく観に来ていたらしくて、ギターの三宅伸治さんともそこで知り合って、三宅さんが名古屋でライヴやる時も観に来てくれたらしいのね。それで去年、三宅さんとオーバーオールズっていうバンドを一緒にやらせてもらったんだけど、名古屋でやるってことで川又さんが観に来てくれるっていう話だったの。会えたらうれしなあ、と思ったんだけど、ちょっと急用が入ってしまったらしくてね」

八木「残念でしたね。けど、すごくいい話です」

――KEYTALKは中日の選手との繋がりはありますか?

八木「名古屋のラジオ番組に出させていただいた時に、山本昌さん、山崎武司さん、井上一樹さんとお話をさせていただいたことがあって」

マエカワ「それすごいな! 東海ラジオ?」

八木「僕を含め4人がゲストで来るっていう。僕はその中でミュージシャン代表のドラゴンズファンとして呼んでいただいて。まさに、僕が野球を見はじめた時のドラゴンズの選手だったので、うれしかったですね。バンドやってて一番うれしかった(笑)」

マエカワ「だよね! 話聞いてるだけで鳥肌立ってくるわ。オレもね、バンドでデビューしてから、いつかそういう日がないかないかって思ってるんだけど、ないんだよね(笑)。一番の目標は、中日が優勝した翌日の新聞に著名人の『おめでとう』コメントが載るじゃない? あれに出たいっていのが夢なんだけどね。八木くんならありそうじゃない」

八木「まあ、そこまでは。あんまり仲良くなりすぎると言えなくなることもあるので(笑)」

マエカワ「ファン心理だね(笑)」

〇グレートマエカワ
今年で結成29年を迎える名古屋出身のバンド、フラワーカンパニーズのベーシスト。年間100本近いライヴを全国津々浦々で展開し、毎年地球1周分の距離を機材車で移動。屈強のライヴバンドとしてその名を轟かせている。2017年夏には新レーベル、チキン・スキン・レコードを立ち上げ、16thアルバム『ROLL ON 48』を発表している。 

〇八木優樹
ダンス・ミュージック、ロック、ジャズなどあらゆるサウンドをフュージョンさせ、テクニカルながらキャッチーなサウンドとメロディーで魅了する4人組、KEYTALKのドラマー。3月7日には通算5枚目となるアルバム『Rainbow』を発表したばかり。9月8日にはKEYTALK史上で最大規模となるワンマン公演が、幕張メッセで開催される。 

(Full-Count編集部)

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