核廃絶へ「声上げたい」 第21代高校生平和大使 県内選出2人が意気込み

 核兵器廃絶を求める署名を国連欧州本部に届ける高校生平和大使の第21代メンバーに、県立長崎西高2年の徳永雛子(ひなこ)さん(16)と県立諫早高2年の山西咲和(さわ)さん(16)が選ばれた。
 平和大使の派遣委員会(共同代表・平野伸人さんら5人)が4日、長崎市役所で発表した。選考会は長崎県を含む15都道府県で順次開き、5月末までに計約20人を選出する予定。長崎県では約20人が応募した。
 徳永さんは曽祖母が被爆した被爆4世。長崎市立日見中2年だった2015年、英語スピーチ大会で平和をテーマに発表し優秀賞を受けたことが契機となり、16年5月にオバマ米大統領(当時)が現職として初めて被爆地・広島を訪問した際、田上富久長崎市長らと共に現地に招待され、オバマ氏と握手した。
 「歴史的な瞬間に立ち会い、(核廃絶へ)自ら発信しようと思う原動力になった。核抑止力がなくても平和に暮らす方法を考える機会をつくりたい」と意気込んだ。
 山西さんは祖母が被爆した被爆3世。被爆体験は「思い出したくない」と言われ、まだ聞けていないという。一方、平和学習を重ねる中で原爆の後遺症も知った。「これ以上、苦しむ人を生まない世界にしたい。被爆国で生きていると自覚し、微力だが(核廃絶へ)声を上げたい」と力を込めた。
 平和大使は1998年から米国の国連本部、2000年からスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問し、通算167万7212筆分の署名を提出している。

高校生平和大使に選ばれた(左から)山西さん、徳永さん=長崎市役所

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